新型コロナ 第6波への備え大丈夫か?経験を活かさない厚生労働省の方針

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新型コロナ 第6波への備えは万全か?

 国の第6波への備えへ・方針は? なんと保健・医療体制の更なる強化だそうだ。

 これまでの「病床・宿泊療養施設確保計画」を「保健・医療提供体制確保計画」として充実させること。それは、感染力の強い変異株のため、今夏の感染拡大では増加する自宅療養者へ対応しきれなかったので、病床や宿泊療養施設の確保を中心とした医療体制だけでなく、保健所等による療養調整を含めた総合的な保健・医療提供体制を構築するとのこと。つまり、より多くの病床等を確保しておけ、しかも、それを国に提出しろと。

 これを知って驚いた。

 この方針は第5波までの経験を全く活かしていない。これ以上保健・医療体制を強化することは到底無理な話だ。保健所も医療機関も限界だったではないか(お金だけもらってコロナを本気で診てない病院を除き)。更にどうやって強化しようというのか。しかも、この夏の水痘なみの感染力であるデルタ株の2倍の感染力(正気か?)を想定してとは!

 第5波までの経験で得られたことは、この新型コロナウイルス感染症対策は、早期発見早期治療、重症化後の対策から重症化させない対策への転換、治療しないで自宅・ホテル宿泊療養(療養とは名ばかりの単なる隔離)から治療して自宅へ。そして、医師の管理下におくことが最適だとわかったのではないか! 

 新型コロナウイルス感染症の特徴は一過性のウイルス増殖期とそれに引き続く全身に波及した強い炎症期、つまり、重症化。したがって、ウイルス増殖期にウイルスをたたく、つまり早く見つけて、早く治療して全身の強い炎症・重症化へ向かわせないことが肝要、そのための地域連携。それらのことが全く活かされていない。重症化後の対策では、医療資源を大量に消費し、病床等はどれだけ用意しても用意しきれない(スタッフの問題が大きく重症化に対応できる医療資源の更なる確保は困難)。また、それには経口抗ウイルス薬の使用がキーとなるはずなのに、そこに対する記述は乏しい。

 早期発見早期治療の基盤は検査体制の飛躍的な充実だが、これは? 一体何時になったら充実?ずっとずーっと前から言われているけど、、、。ウイルス量を頻回に測定して、ウイルス増殖期かどうか、抗ウイルス薬の効果が望めるのか、それとも抗炎症薬等が主体とならざるを得ないのか、、。

 また、感染力が強ければ従来株の治験から得られた濃厚接触の定義では無理なこともわかったのに、それには触れない。従来株とは違って、感染力の強い変異株では些細なことで感染したではないか。感染力の強い変異株、しかもデルタ株の2倍?の感染力に似合った濃厚接触者の拾い上げと対策を徹底して感染者を出来るだけ減らす・広げないことも必要、それには頻回かつ広範囲の検査が必須。だから検査体制の飛躍的な充実は欠くことが出来ないはずなのに、それには言及しない。

 更に第5波の終息には季節性の変動もあるだろうが、ワクチン接種の効果も大きかったはずだが、それにもあまり触れていない。ワクチン接種の効果と減弱、ブースター接種の必要性、若年者へのワクチン接種等も考慮すべきなのに全く、、、。

 コロナ対策を真面目にやって疲弊した保健所や医療機関を更に追い詰める対策。数(病床等)が足りなかったからということで、責任逃れの単なる数合わせ!沢山専門家?もおられるはずなので、少しはこの夏までの経験を活かした総合的な(まともな)な方針をたてて欲しい。
(文=某保健所長)

※MRIC by 医療ガバナンス学会発行 http://medg.jp 2021年11月9日より転載 

※参考
新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組(令和3年9月 28 日)
https://corona.go.jp/emergency/pdf/kihon_r_030928_2.pdf

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