再生医療でペットの生命はどこまで救えるのか?

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ペットでも再生医療時代!?

 このところずいぶん耳にするようになってきた「再生医療」という言葉。患者の体外で人工的に培養したリンパ球や幹細胞などを患者の体内に移植・注入することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療だが、その再生医療はペットにどれだけ具体的に応用できているのだろうか。

 2021年3月、大日本住友製薬系列の子会社が日本で初めて動物用再生医療の製品製造販売の承認を受けた。イヌの脂肪組織由来の間葉系幹細胞製品で、ヘルニアの治療用となっているが、損傷した神経細胞の回復の可能性もあるため、ペットの高齢化に対するニーズは大きいと期待されている。また、注射で投与するだけの簡便さから専門の技術を持たない獣医師や細胞培養の設備がない動物病院でも治療が可能になるため、今後の動向が注目されている。

 また、2020年2月から富士フィルムなどが中心となりつくられた動物再生医療技術研究組合(以下組合)では、イヌとネコの脂肪組織由来の間葉系幹細胞の全国搬送に取組み、品質の安全性、統一性を担保した再生医療の運用を掲げ、これまで120施設(2020年11月時点)がこの供給を受けているという。

ペットの再生医療に関するガイドライン策定

「ペットの再生医療に関しては現在大きな転換期に入っています」そう語るのは、長年ペットに対する再生医療に関わってきたひらの動物病院の平野由夫院長。ペットの再生医療の草分け的な日本獣医再生医療研究会の初期のメンバーで、10年前に自らのクリニックに培養施設を持ち、標準治療で効果がないも場合やQOLの維持や改善が期待できるケースでは、リンパ球療法などの再生医療に取り組んできた。 

「しかし、あくまでも臨床の獣医師がクリニックレベルで行った臨床研究で、ヒトでの再生医療をまねたもの。基礎研究を積み重ねたうえで開発された臨床研究ではありませんでした。それらしい効果を得ていましたが、どうしてそうなのかというメカニズムに対する研究は僕らのレベルではできませんでした」と振り返る平野院長。

 そうした実態に対して、獣医師業界、大学などのアカデミアなどから、専門研究機関や専門的な知識を持ったものがやるべきで、臨床獣医師が先行した現状はいかがなものかという問題提起があり、獣医再生医療は急速に下火となった時期があるという。 

 そこで自身が副理事長を務める日本獣医再生医療学会などがイヌとネコの再生医療にかかわる指針「犬及び猫における再生医療及び細胞療法安全性確保に関する指針」(平成30年4月)を作成している。対象を従来の方法では治療が難しい病気などに限り、効果の限界も含め十分に説明することなども規定している。やっとペットの再生医療に関するガイドラインが整備されてきたことになる。
※詳細に関しては以下
(http://jsvrm.jp/download/gideline_180301.pdf)

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