第7波は人災!? すぐやるべき改善策を現場医師が提言

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7回目でも何も変わらないこの国の施策

 1年ぶりの投稿です。2年半、ほぼほぼコロナに追われていた気がします。当院は基本医師一人の診療所ですが、第6波までにオンライン診療約2000人、ワクチン接種約1万回行ってきました。その間、組織のルールに則り民主主義的手順を踏んで現場を改善してもらおうと努力もしましたが、指示待ちが染み付いた組織の根は深く、フィードバックする機能は機能していませんでした。

 そして今、コロナの第7波の勢いが止まりません。
大多数の人には軽症で済むとはいえ、発熱外来の最前線は今最大のピンチを迎えています。明らかにキャパオーバーです。
第5波のデルタ株の時のように、在宅で急変して亡くなる人は少ないかもしれませんが、コロナだろうが他の疾患だろうが、すぐに診てあげなければならない人が受診出来なくなっています。

7波になっても何も変わらないこの国の施策

 もう7回目。この国は何度同じことを繰り返せば改善するのでしょう。根本的な改善は無理でもできることはたくさんあったし、その声も上がっていました。残念ながら、この国の意思決定組織(そんなものがあるかどうかも怪しいですが)が聞く耳を持っていなかった、もしくは物事の優先順位をつけられる人がいなかったということです。
今回もまた人災の側面が大きいですね。1)国に対して2)国民や職場に対して、早急に手を打って頂きたいことを挙げておきます。

1)国は、必要な人に必要な医療が届くようにするためには発熱外来でのトリアージ機能を高める必要があります。そのためにとにかく今は無駄を省いて欲しい。
全国共通の方針は、各自治体任せではなく国がやるべき仕事です。

(1)軽症者は医療機関を受診してなくて済むように、認可された抗原キットがどこでも手に入るようにして下さい(有料・無料に拘らず、あらゆるルートで)

(2)医療の不要な軽症者の登録作業(HER-SYS)を医療機関と保健所にやらせるのをやめて下さい。これは公衆衛生上の仕事であって、検査が足りていない状況下で、都道府県ごとに「みなし陽性」の基準が違うというのに、どういう目的で継続しているのか、理由を教えて下さい。崩壊している医療現場にやらせるような仕事ではありません。
→感染症法の2類とか5類とかの机上の空論に時間費やしていないで、すでに破綻していること対しては、軽症者の陽性確認と登録方法を現状に即して大至急変えて下さい。

(3)いわゆる「みなし陽性」は全て医師の判断で認めるべきです。
コロナの患者がいて、隔離中の同居の家族に症状が出ればコロナです。パーティーや会食でも一斉に症状が出て、一人がコロナなら全員コロナと診断します。
医師の臨床診断の基本です。検査はあくまで補助診断に使うものです。これを検査で陽性が出ないと認めない県と「みなし陽性」として認める県があるのです。認めない県では、繰り返し検査が必要になり、患者と医療機関の労力と費用と貴重な検査キットを浪費しています。

国がコロナの診断の根幹に関わる部分を都道府県に丸投げした根拠はなんでしょう。医師の仕事を奪われることに常日頃非常にセンシティブな医師会がここに無頓着なのはなぜでしょうか? 世界医師会の医師の倫理(2009年WMAマドリード宣言)では、「何人からの干渉も受けずに、自らの判断で患者の最大利益を基準に診療する権利」がうたわれていますが、これにも反しますよ。医師会は医療機関へ土日の発熱外来への協力を呼びかける前に、医療資源を最大限有効活用するために国から降ってくる無駄を省く交渉をして下さい。

(4)患者が自分の重症化リスクがわかるように早急にアプリを作って下さい。今でもリスク評価は毎日各医療機関が行なっています。とても機械的なものです。リスクはなくても、小児の脱水や意識障害等、医療機関への受診が必要なことはあるので、判断できる人がその範囲内で、自ら判断してくれれば十分です。

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