検証される1万5000人以上に強制した不妊手術~裁判で「優生保護法」の違憲性を問う

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3月28日「優生保護法」の違憲性を問う裁判がスタート(depositphotos.com)

 国の法律のもと、強制的に不妊手術を受けさせられた人たちがいる──。密かに葬り去られようとしてきたその負の歴史が、ようやく明るみに出され、検証されようとしている。

 旧優生保護法のもと、知的障害を理由に同意なく不妊手術を強制され、救済措置も取られていないのは違法として、国に慰謝料など1100万円を求める訴訟を起こしたのは、宮城県内の60代の女性だ。

 原告の女性は、幼い頃の麻酔の後遺症で知的障害が残っていたことを理由に、15歳の時に県内の病院で卵管を縛る手術を受けさせられ、子どもを生めない身体になった。

 3月28日、仙台地裁で行なわれた第1回の口頭弁論で原告側は、幼い頃の麻酔医療の後遺症による知的障害であったにもかかわらず、「遺伝性精神薄弱」を理由に15歳で不妊手術を強いられたのは、極めてずさんな審査であったこと。そして、長年救済を放置してきた国には、大きな責任があることを訴えた。

 原告側によると「憲法が定める幸福追求権を奪った」として、優生保護法の違憲性を問う訴訟は全国で初めてだという。

 だが、この法律のもとに強制不妊手術を受けさせられた人の数は多く、少なくとも1万6475人いるとされる。最近ようやくこの事実が問題として取り上げられ、証言をし始める人も増えてきたが、これまでは声を上げることすら叶わなかった。

ダーウィンの従兄弟が1883年に提唱

 優生保護法とは、1948年から96年まで存在した法律だ。この法律に基づき、遺伝性疾患、精神障害、知的障害などと診断された人に対しては、都道府県の審査会で適当とされれば、本人の同意がなくても不妊手術を受けさせてよいことになっていた。

 つい22年前まで、このような非人道的な法律があったことに、驚く人も多いだろう。

 優生保護法の背後にあったのは「優生思想」であり「優生学」である。1883年、初めて「優生学」という言葉を提唱したのは、ダーウィンの従兄弟であったゴルトンという人類学者だ。

 「生物はより高度な種へと進化していく」というダーウィンの進化論に影響を受け、人類も優れた者同士が子孫を作れば、より進化していくと考えられた。

 その考えに基づき、優れていないとされた遺伝子には子どもを作らせないことで、国民の「素質の向上」を図ろうとしたのが、日本でも1948年に定められた優生保護法だ。

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