出生率アップの裏で「心の病」に苦しむ妊産婦が4万人〜東京23区で10年間に自殺63人!

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イクメン賛歌の裏で2割弱の夫も産後うつに

 また、亡くなった63人中「出産後1年未満」の6割がうつ病や統合失調症など、何らかの精神疾患で通院歴を残していた。その半数が「産後うつ」(=産後半年前後までに10人中1人が発症するとされる)だった事実も判明した。

 産後うつや産後クライシスの急増現象については以前も「健やか親子21検討会報告書」(厚労省2000年)を引き合いに触れた(なぜ「産後うつ病」や「産後クライシス」が急増したのか? )。その際にも参照した国内女性の産後うつ発症率は、13.4%(2001年)→12.8%(2005年)→10.3%(2009年)と減りながら、ほぼ1割程度まで推移してきた。

 だが、それでも一般の人がうつ病になる率(3~7%)に比べたら、いかに高い確率が歴然だ。また、今年1月に国立成育医療研究センターなどの研究チームが公表した調査結果では、男性陣も妻の出産後「2割弱」が理由なき不安や憂慮すべき傾向に見舞われるという。

 2012年秋から半年間行なわれた愛知県内の自治体調べでは、妻の出産後3カ月まで追跡調査できた夫215人中36人(16.6%)が「うまくいかない時に自分を責めたりする」と、自らのうつ傾向を明かしている。背景には子育てと仕事の両立、その重圧が読み取れると専門家たちは分析している。

 「イクメン」という流行語や姿勢がもてはやされる一方、子どもの虐待や離婚騒動に発展しかねないこうした男性陣の傾向は「パタニティー・ブルー」などともネット上では呼ばれている。

 近年、日本の年間自殺者数はおよそ3万人といわれている。精神疾患やケアが必要とされる妊産婦が年間推計で4万人、都内で自ら命を絶つ妊産婦が10年間で63人、夫側も2割弱が産後うつを患い……。

 「♪都会では自殺する若者が増えている~」――。そんな1972年(昭和47年)の世相がリアルに織り込まれたのは、井上陽水さんの「傘がない」。現在のママやパパ、その予備軍にはいったい何が「ない」のだろうか!? 

 (相手や周囲の)助けがない、理解がない、やさしさがない、総じて「愛がない」というわけだろうか。では、いったい誰がために産むのだろう……。
(文=編集部) 

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