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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」33回】

市販のクリスマスケーキには危険がいっぱい? トランス脂肪酸の「クリームもどき」と危ない添加物

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市販のクリスマスケーキには危険な添加物がいっぱい!(depositphotos.com)

 子供の頃、毎年、12月26日になると、隣の家のおばさんが、不二家の大きなデコレーションケーキを持ってきてくれた。どうしてクリスマスが終わってからなのか不思議に思って、おばさんに聞くと――。

 「義兄が不二家の株主で、売れ残ったケーキをたくさん持ってくるのよ。半年前から、クリスマスのためにたくさん作って保存しとくのだけれど、今年は、お祭りのような東京オリンピックが終わって、気が抜けてしまったのか、クリスマスケーキもあまり売れなかったそうよ」

 クリスマスのシーズンになると、この1日遅れのクリスマスケーキのことを思い出します。それから半世紀経ちましたが、不二家など大手菓子会社が半年も前からクリスマス用ケーキを製造しているのは今も変わりません。

トランス脂肪酸を多く含んだ「クリームもどき」

 クリスマスケーキを作り置きできるのは、ケーキの生クリームにあります。生クリームといっても、市販のケーキに使われているものの多くは「クリームもどき」です。生クリームといえば、牛乳から作られると誰もが思うはずですが、市販のケーキに使われている生クリームの大半は、パーム油などの植物油脂を主原料にした、業界では「コンバンドクリーム」と称されるものです。牛乳から作った生クリームより安価のうえ、型崩れがせず保存性が高いことから、長年使われてきています。

 この「クリームもどき」のいちばんの問題点は、将来、動脈硬化を誘発する恐れが強いトランス脂肪酸を多く含んでいることです。子供に食べさせるなら、そのリスクを覚悟すべきです。また、安定剤や乳化剤といった添加物も使われていますので、それによる健康への悪影響も懸念されます。

 子供たちの大好きなケーキですが、これでは悪魔のプレゼントになりかねません。クリスマスケーキには、安心できる手作りケーキか、あるいは添加物を極力使っていないケーキを、町の良心的なケーキ屋さんで買って子供たちと食べて下さい。

 ケーキを選ぶ際の最大の注意点は「どこの菓子メーカーのものにするか?」ということです。不二家、スイパラ(スイーツパラダイス)、コージーコーナー、ヤマザキ、スタバ(スターバックス)、ハーブス、サーティーワンのアイスケーキ、コンビニのPB……。これらのケーキの大半は「クリームもどき」を使用していますし、かなりの品目の添加物が使用されていますので、注意が必要です。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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