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【連載「眼病平癒のエビデンス」第11回】

失明の原因・第1位「緑内障」、症状が出たら手遅れ! 患者の9割が診断・治療を受けていない

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緑内障の治療は進行を遅らせることしかできない(shutterstock.com)

 日本では、成人の失明原因の第1位が「緑内障」です。近年の大規模な疫学調査では、40歳以上の5%、70歳以上では10%が緑内障に罹患していると報告されています。しかし、そのうち約9割の人が、緑内障の診断や治療を受けていないことが判明しました。

 緑内障は、「眼圧(目の内圧)が上がって痛くなる病気」と思っていませんか? また、緑内障は「視野が狭くなる病気」と思っていませんか?

緑内障は早期発見・早期治療が肝心

 多くの緑内障では、痛みは伴いません。また、緑内障で視野が狭くなるのは症状が進行してからであり、初期は無症状です。このように病気に対する認識の間違いから、自分は大丈夫と思っている方が実に多くいらっしゃるのです。

 では、どのようにして「痛くない、視野も狭くない」人が緑内障と診断されているのでしょうか?

①人間ドック、会社の健康診断、地域の健康診断で指摘された。
②健康番組を見て不安に思い受診した。
③他の病気で眼科を受診して指摘された。
④家族に緑内障の人がいる。

 などが多いようです。つまり、多くの人は自覚症状が無いにも関わらず、緑内障と診断されているのです。

緑内障は社会生活や仕事にも支障をきたす

 ①のケースのように、人間ドックなどで「眼圧が高い」「視神経乳頭陥凹拡大」などのため“要精査“と記載されたために、緑内障が判明しています。眼科を受診された方から、「去年も言われけど、自覚症状がないし、忙しかったので放置していた」と聞くことがあります。せっかくの早期発見のチャンスを逃していることになるのです。

 ②のケースでは、健康番組では大げさに表現されることがありますが、少しでも思い当たることがあったら、眼科で相談したほうがいいでしょう。

 ③のケースのよに、春先の花粉症やコンタクトレンズの健診、結膜炎など、直接緑内障とは関係ない病気で眼科を受診した際に、緑内障と診断されることがあります。特に、初めて眼科を受診した時には、希望していないのに、視力検査や眼圧検査、眼底検査をされた経験はないでしょうか? それらの検査は眼科の基本検査であり、さまざまな病気が見つかるきっかけになることがあります。決して高額な検査ではないので、時間に余裕があれば、是非、検査を受けることをお勧めします。大切なことは、その検査結果を聞いて、他の眼病が無いか確認をすることです。眼底出血や網膜裂孔なども、このような検査で見つかることが多いのです。

 ④の家族歴は、緑内障の重要な危険因子の一つです。家族を含めた血縁関係のある方に緑内障の人がいたら、是非、一度、精密検査を受けてください。家族歴以外では、「強度近視」「年齢40歳以上」「低血圧」など危険因子が指摘されており要注意です。

緑内障は進行を止めることしかできない

高橋現一郎(たかはし・げんいちろう)

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京慈恵会医科大学卒業。98年、東京慈恵会医科大学眼科学教室講師、2002年、Discoveries in sight laboratory, Devers eye institute(米国)留学、2006年、東京慈恵会医科大学附属青戸病院眼科診療部長、東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授、2012年より東京慈恵会医科大学葛飾医療センター眼科診療部長。2019年4月より現職。
日本眼科学会専門医・指導医、東京緑内障セミナー幹事、国際視野学会会員。厚労省「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成委員会」委員、日本眼科手術学会理事、日本緑内障学会評議員、日本神経眼科学会評議員などを歴任。

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