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テレビは大スポンサーの「香害」に切り込むべき 柔軟剤や芳香剤による被害は受動喫煙と同じ

こんな強いにおいには注意しておくべき

 合成ムスク類は非常に多くの商品で使われていますが、意外なところにもあります。例えば天然であると思われがちなアロマセラピー用のスミレ、ラベンダーなどでは、香りをより強く定着させる目的で合成ムスク類が使われていることもあります。

 したがって健康被害が起こりかねない人工香料は、合成ムスク類の香りだけではありません。芳香剤、柔軟剤、制汗剤などの日用品、文房具、さらに食品のフレーバーなどの香料は「香料」とだけ表示されており、香料の原料は消費者には分かりません。メーカーに問い合わせても、企業秘密で教えてはくれません。無香料の製品や食品を選んでいくことが、いちばん安心・安全ですが、少なくとも、次の匂いが強い製品は使用を控えた方が無難です。

・バニラ……経皮吸収の早い化学物質クマリンが使われている可能性があります。クマリンは代謝分解されずにそのままの形で全身に循環します。体内でビタミンKと出会うと血液凝固を阻止する作用をし、慢性的に血が固まりにくい状態を引き起こす恐れがあります。
・ジャスミン、ローズ……酢酸ベンジンが使われています。目、皮膚を刺激し、嘔吐、下痢を起こす恐れがあります。
・麝香……合成ムスク類で、マスクキシレンを使用しています。マスクキシレンには発ガン性の指摘があります。
・丁子(種のお香のひとつ)……オイゲノールを使います。肝臓の細胞肥大、胃潰瘍を引き起こす恐れがあります。オイゲノールはバナナ、プラム(西洋スモモ)、ナッツ類、ココアなどの食品にも使用されます。
・ヒヤシンス……ケイ皮アルコール使用。ケイ皮アルコールには赤血球の細胞膜を破壊する溶血作用があります。
・焼いたような香り……使用されているケイ皮アルデヒドには溶血作用があります。
・バナナ……酢酸イソアミル使用。咳、目に灼熱感、胸部圧迫感、疲労、めまいの症状を引き起こす恐れがあります。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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