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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」39回】

日焼け止めクリームを検証する!紫外線吸収剤には危険な化学物質が使われている

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日焼け止めクリームの紫外線吸収剤には危険な化学物質が使われている(depositphotos.com)

 40度を超える殺人的な酷暑が日本列島を襲っています。熱中症には十分な注意が必要ですが、同じように日焼け止めクリームの使用にも注意を払ってください。

 まず、日焼け止めクリームを使用する際の重要な点は、化粧品と同じ感覚で1日中、塗り付けていると、思わぬ健康被害に遭う恐れがあるということです。日焼け止めクリームに使われている紫外線吸収剤には、非常に危険な化学物質が使われているからです。

 日焼け止めクリームを使う場合は、よく製品の成分を確認して、できるだけ皮膚にやさしい成分を使用しているものを選ぶことです。特に子ども用日焼け止めクリームを購入する際は、念入りに確認する必要があります。

 そこで、どんな日焼け止めクリームを使えばいいのか、具体的製品を挙げ検証してみましたので参考にしてください。

「アネッサ パーフェクトエッセンスサンスクリーンA」(資生堂)

 美容液タイプの日焼け止め化粧品です。日焼け止めクリームには必ず紫外線吸収剤が配合されています。紫外線吸収剤とは紫外線を吸収し、人体に影響の少ない赤外線や可視光線に変換して放出するものです。

 紫外線吸収剤は、厚生労働省の定めた「化粧品基準」(2007年)によって、100g中3gまでしか配合できません。また、粘膜に使用されることがある化粧品には使えません。それだけ、紫外線吸収剤は、皮膚・粘膜に影響が出る恐れがあるからです。

 同製品に使われている紫外線吸収剤は、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸です。また、紫外線を反射・散乱させて、肌に入り込むのを防ぐ目的で紫外線散乱剤として酸化亜鉛が使用されています。

 それらの成分の中で、特にジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは問題で、「安息香酸は眼、鼻、喉を刺激する」(『素肌の健康Q&A』郡司篤孝:著)と指摘されている成分です。メトキシケイヒ酸エチルヘキシルも「眼、皮膚、粘膜を刺激する」(前掲書)との指摘があります。

 同製品にはこうした紫外線吸収剤や散乱剤を製品に馴染ませるために,ラウリルPEG-9ポリジメチルヒドロキシエチルジメコン、ラウレス硫酸ナトリウム、PPG-9/1コポリマー、イソステアリン酸といったタンパク質変性作用のある合成界面活性剤が使われています。

 ラウレス硫酸ナトリウムには「皮膚障害やアレルギーを誘発する可能性」(『経皮毒データブック』稲津教久:著)の指摘があります。そのほか、皮膚保護剤、皮膜形成剤などにポリシリコン-15、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメコンといった化学合成ポリマーが多く使われています。

 シリコンは「過剰暴露で眼、皮膚、上気道の刺激、咳」(前掲書)との指摘があります。また、酸化防止剤にBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)が使用されていますが、「皮膚炎や過敏症を引き起こす」(『生活毒物』西岡一:著)という合成化学物質です。

 日焼けによるメラニンの生成は、シミやそばかすの一因になりますが、これだけ体に悪影響を与える合成化学物質を含んだ日焼け止めクリームを1日中塗り続ければ、シミ、そばかすどころではない、深刻な健康被害を被る可能性があります。同製品はあまりお勧めできる日焼け止めクリームではありません。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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