歯磨きで味覚を失う!?
この結果に、同社が過去に実施した「歯磨きに関する調査」(WEB調査:期間は2013年10月30日~11日2日)の回答例を重ねてみると、なかなか興味ぶかい。一般人の味覚事情や、商品選びの実態が読み取れる。
こちらの調査は20代~60代の女性層を対象に行なわれ、サンプル数は600人。なかでも目を引く質問が「歯磨き後、みかんを食べたり、お茶を飲んで味覚が変わったと感じることがありますか?」というもの。
よく感じる(49.0%)といつも感じる(16.7%)の回答者を足せば、100人中65%超の人たちが味覚の変化をおぼえている。
味覚が変わる原因は、歯磨き粉に含まれる「合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)」の成分にある。ヒトが味を感じる器官の「味蕾(みらい)」が、それによって損傷を受けるからだ。
ところが、その味蕾損傷の原因と認識を問われると、今まで知らなかった層(84.0%)が圧倒的に多い。歯磨き粉選びの際に「成分を確認してから購入しますか?」の問いでも、ほとんど確認しない+確認したことがない層が60人以上を数えた。
試しに、あなたのご自宅にある歯磨き粉の成分表示を見てみよう。洗浄・発泡剤の項に、件の「ラウリル硫酸ナトリウム」はないだろうか。これは合成洗剤やクリームの乳化剤にも使われているものと同じで、動物実験上は受精卵障害や成長障害も報告されている。
つまり、毎朝や食後ごとの歯磨きの際、あなたは件の合成界面活性剤を体内摂取しているわけで、おまけに口内の粘膜は皮膚の13倍もの吸収力があると聞けば、思わず生唾を飲み込まれた読者もおられるのではないか。
ちなみに、これらの調査結果を公表したシャ社は、合成界面活性剤ではなく無添加石けんを使用し、歯磨き後も味覚が変わらない商品を販売している。「いい歯の日」をきっかけに、くれぐれも<未来>の<味蕾>を大切にしてほしい。
(文=編集部)