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【連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第18回】

乳酸菌を含むヨーグルトで「血糖値」の上昇をおさえ糖尿病を予防

食後の血糖値の上昇をゆるやかにするヨーグルト

 もともと乳酸菌には、血糖値の上昇を抑える作用があることは知られている。特にある種の乳酸菌を含むヨーグルトは、その効果が高い。

 マウスにブドウ糖や牛乳、ヨーグルトを投与してその後の血糖値の変化を調べたところ、ブドウ糖のみを投与したマウスに比べ、ブドウ糖と牛乳を投与したマウスは血糖値の上昇が少し抑えられた。さらに、ブドウ糖とある種の乳酸菌を含むヨーグルトを与えられたマウスの血糖値は、ブドウ糖と牛乳を与えたマウスよりも、さらに血糖値の上昇が抑えられたという研究結果が出ている。

 また、健康な成人男女を対象として行われた別な実験では、7名中6名が牛乳を飲んだ場合よりヨーグルトを食べた場合の方が血糖値の上昇が抑えられた。

 このほかいろいろな実験で、ヨーグルトの血糖値上昇の抑制効果が証明されている。

ヨーグルトの粘り成分が食物繊維のような役割も

 ヨーグルトが血糖値の上昇を抑える理由として、乳酸菌がヨーグルトを発酵中に産生する物質の一つである「ヨーグルトの粘り成分」が関係している。この粘り成分は、人の消化液で分解されないので、食物繊維と同じように糖の吸収を阻害し、その結果、血糖値の上昇を抑えると考えられる。
 
 このほか最近の研究では、腸内環境と糖尿病の関係、遺伝子組み換え乳酸菌による血糖降下作用などが発表され、乳酸菌と血糖値抑制効果についての研究はさらに進みつつある。

 血糖値をコントロールするには、食生活をはじめとする生活習慣の見直しが基本だが、ヨーグルトを食生活に上手に取り入れていけば、より効率的だろう。

 血糖値を下げるのに関連する乳酸菌には、クレモリスFC株などがある。


連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」バックナンバー

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

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