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【連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第18回】

乳酸菌を含むヨーグルトで「血糖値」の上昇をおさえ糖尿病を予防

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ヨーグルトが血糖値の上昇をゆるやかにする(shutterstock.com)

 平成25年の厚生労働省の調査によると、日本の成人で糖尿病が強く疑われる人は約850万人。糖尿病の可能性が否定できない人は約680万人いると推定されている。

 糖尿病を悪化させると、失明したり、腎臓や心臓、脳血管に障害が及ぶなど、様々な合併症を引きおこす。しかし、病気が進行するまで自覚症状がほとんどなく、自分では気づきづらいのが特徴だ。

 食生活の欧米化や運動不足などで、最近では糖尿病患者やその予備軍が増えつつあることが問題になっている。そこで注目したいのが、血糖値を下げ糖尿病予防に効果がある乳酸菌の働きだ。

知らぬ間に上昇している血糖値

 血液中に含まれるブドウ糖の濃度を血糖値という。もともと我々の体は、ブドウ糖を燃料にして動いている。食事から摂取したブドウ糖は、血液中に溶け込んで全身に運ばれる。そのため、食事をすれば血糖値は上がり、時間がたつと血糖値は下がってくる。

 食事のタイミングだけでなく、いろいろな原因によって血糖値は上下するが、健康であれば膵臓から分泌されるインスリンの働きによって血液中の血糖の量は一定に保たれる。ところが、大量にブドウ糖を摂取しすぎたり、インスリンが足りなくなったりうまく作用しなくなると、ブドウ糖が細胞に取り込まれずに血液中にあふれだすこととなる。これが高血糖だ。

 血糖値の上昇はなかなか自覚しづらい。検査などで血糖値が高めだと言われても、特に自覚症状がないので放置してしまいがちだ。高血糖の原因の多くは、食べ過ぎや栄養バランスの悪い食生活、運動不足、ストレスなど、日ごろの生活習慣にある。

 そして血糖値が高くなると、膵臓はそれをコントロールしようとインスリンを分泌し続けるために疲弊してしまい、次第にその機能が低下していく。それが悪循環となって、ますます血糖値は上がり続け、気がついた時には糖尿病が進行。合併症である失明や腎不全、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な状況をまねきかねない。

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

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