1割以上が死亡! 新たな恐ろしい病気
平成21年頃から中国の農村部で、発熱、嘔吐、下痢、白血球の減少や血小板の減少を特徴とする病気が発生し、罹った人の1割以上が死亡したことが分かりました。
「重症熱性血小板症候群(SFTS)」と呼ばれるもので、ウイルスが原因です。いくつかの動物に、このウイルスが含まれていたのですが、その動物の体液を吸ったダニが人を刺すことで病気を媒介しているのです。
平成24年秋、日本国内に住んでいる海外渡航歴のない中年女性が、SFTSにかかっていることが判明。わが国で初の発生が報告されました。厚生労働省では、病気の発生状況の把握や蔓延予防に向けた対策を取るため、平成25年3月からSFTSを感染症法に基づく医師の届け出疾患に追加。
つまり、診断した医師は、直ちに最寄りの保健所にその事実を報告しなければならないのです。
SFTSは24年の秋以降、九州、中国、四国地方で患者が発生し、平成25年5月末日時点で16人がかかり、そのうち、なんと9人が死亡しました。発生が九州、中国、四国地方に限られていることは、ダニ生息と関係があるのでしょう。
夏の時期には、患者の数が増えることが危倶されます。
命を守るにはとにかくダニに刺されない
SFTSについては、まだ詳細が明らかになっていません。どのような機序で発症するのか、どのような薬が効果的なのかについては今後の解明が待たれます。しかし、前述したように、高い確率で死に至るため、とにかくダニに刺されないように予防することが重要です。
ダニは自然界に数多く存在します。そのため、今回紹介したようなダニが媒介する病気は、今後もなくなることはありません。できるだけダニがいない環境をつくり、まず室内を清潔にすることです。
そして、屋外では特に山林に注意してください。ダニに刺されないように、夏でも長袖・長ズボンなどを着用して、肌をできるだけ露出しないように。肌が露出している部分には虫除け剤を塗るなどの対策をとって、気を付けてください。
特に九州、中国、四国地方の方は、このような対策を心がけることが自らの命を守ることにつながります。