ペットのためのお金を「信託」で準備する
飼い主がペットのためのお金を準備するなら、「信託」を考えてみてもいいだろう。信託を利用すれば、相続財産とは別にペット用の資金を管理することができるので、間接的ではあるが確実にペットに遺産が贈与できる。
ペットのための信託を始めるには、飼い主を代表にした管理会社(合同会社)を設立する必要がある。設立した管理会社にペットに残したい資金を移した後、飼い主は信託開始の条件を設定し、会社と信託契約を結ぶ。
また、ペットを託す相手を決めておく。そうして信託が始まったときには、管理会社から新しい飼い主へ預けていた資金が飼育費用として渡るのだ。
信託監督人を選んで、飼育費が適正に使われているかチェックすることも可能だ。万が一適正でないと判断されたときに備えて、資金の支払い中止や別の飼い主への譲渡なども契約に盛り込むことができる。
信託は「生前贈与契約」に似ているが、その他の遺産と分けて管理することができるので、相続の際に揉めずに済む。ただし、会社設立など素人には煩雑な手続きが必要なので、専門の行政書士などに相談するのがベストだろう。
より簡易に保険に加入する方法も
契約や遺言など面倒くさい、より簡単に資金を用意したいと考えるなら、ペットの保険を選ぼう。
アスモ少額短期保険の「入院保障付生命定期保険 ペットのお守り」は、飼い主が死亡したり重度の障害状態になったとき、最高300万円の保険金が支払われる。保険金の受取人が直接その世話ができなくても、新しい飼い主を捜す資金や引き取り施設への入居費用に充てることができる。
まとまったお金が用意できなくても、毎月定額の預金をしていると思えば、あまり負担にもならないだろう。
平成25(2013)年9月に施行された改正動物愛護法では、飼い主は飼っている動物が命を終えるまで適切に飼養する“終生飼育”の責任を負うことを定めている。自分が生きている間はもちろん、自分がいなくなった後にも“家族”への責任があるのだと認識していかねばならない。
(文=編集部)