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節分の豆やナッツ類を3歳未満の子供に食べさせてはいけない!窒息事故の可能性

豆の破片が肺の部分切除へ…

「噛み砕いてあげれば、べつに問題ないのでは?」と安易に考えるのはもっと厳禁。幼児にとっては返って吸い込みやすい大きさを与えることとなり、その破片が肺への気道に入ったまま放置されれば気管支炎、ないしは肺炎を発症する不測の事態も起きかねないのだ。

 もし気道に破片が入ってしまった場合はどうなるのか、御存じだろうか。その除去には全身麻酔が必要となり、最悪の場合は肺の一部を切り取る(部分切除)という例もあり得る。事実、豆を口に含んで椅子から降りようとした1歳児が突然咳込んで救急へ……結果、全身麻酔で除去したという医療報告もある。

誤飲も誤嚥も親の不注意から!

 ところで似て非なる<誤飲>と<誤嚥>の違いを御存じだろうか。何気で大人が置いた(食べ物ではない)硬貨や煙草を誤って呑み込んでしまうのが前者、一方の誤嚥(ごえん)は食べ物が食道に入らず気管のほうへ入ってしまう状態を指す。

 大人でも慌てて水分補給を行なった際などに気管へ入ってしまい、むせている場面を稀に目撃する。もし、それが肺のほうまで入ってしまうと<誤嚥性肺炎>を引き起こすが、診断時に<誤飲>と<誤嚥>を間違える医師も間々いるとか。違いを覚えておきたい。

 誤嚥による死亡事故例としては2008年、当時1歳9ヶ月の幼児がこんにゃくゼリーを喉に詰まらせて亡くなった悲報が記憶に新しい。誤嚥が起きやすい代表的食べ物に飴や餅、ボーロやぶどうなどが挙げられるが、誤嚥原因で意外と多いのが<食べ歩き>。動き回る幼児が何かの拍子で驚いたり転倒した際、口の中のものが気管に入ってしまうような例だ。

 また、親の目が行き届いている食事の際にも大声で泣きわめいたりする状態下では、食べ物が気管に入ってしまう事態に繋がりやすい。その場の応急処置としては子供を逆さまに持ち上げて背中を叩く程度しかないが、もしその先の、気管の奥まで入ってしまうとむせたりもしない。それが安心や放置に繋がることがむしろ怖いのでくれぐれも御注意を。

 通常、気管に異物が入れば激しく咳込んで、排除しようと体が反応を示す。が、咳込みもないのに呼吸音に雑音が混じっているなどという場合は即病院へ駆け込むのが賢明だ。

 節分の豆撒きは一年に一度のお祭り気分が愉しめる家族の団欒行事。名残惜しさからつい、残った豆を(もう食べもしないのに)皿に盛ったまま数日間放置しているなんて習性をお持ちではないか。誤嚥はそんな親の無意味な習性から起きるものなのかも。行事が済んだら節分は終了、早々に撤収して日付が変わる前に豆も潔く捨てよう。
(文=編集部)

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