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“しこり”を作らない乳がんもある! 30代からチェックしたい乳腺の「石灰化」

乳がんは「しこり」だけじゃない

 「乳がんと聞くと、乳房にコリコリした“しこり”ができると考えがちだが、それだけではなく、しこりを作らない乳がんもある」と京都府立医科大の内分泌・乳腺外科がHPで丁寧に解説している。

 それは「乳管内がん」と呼ばれ、早期の乳がんに当たる。乳管内がんは乳管から外に出ないで乳管の中を這うように広がる。がんが広がった時に残す足跡(死んだがん細胞)が石灰化だ。

 検診後の説明で、ぽつんぽつんと白点があるのは問題ないが、極小の白点が密集して広がっているのがよくない石灰化だと、専門書で症例を示しながら悪性石灰化を説明してくれる医師もいる。

 良い石灰化、悪い石灰化を診断するには、マンモグラフィによる乳がん検診が最善だ。この検診で良悪不明という場合は、さらに石灰化の精密検査を行うことになる。

 石灰化が小さすぎてほとんど写らないことが多いので、このようなケースでは「乳腺ダイナミックMRI検査」や「ステレオガイド下マンモトーム生検」などの特殊の精密検査や病理検査をする。精査した石灰化でがんが発見されるのは約20%だそうだ。

 体の曲がり角でもある40代、がんの発症もピークに達する。数字的に見ると、40〜44歳の全がんは11749件、うち乳がん5490件で全体の46.7%を占める。45〜49歳では全がん16286件、うち乳がん8033件で49.3%(日本のがん統計2010データから)。40代後半で乳がんが全がんの半数を占めている。

 良性が大半といえども、マンモグラフィによる検診は30代のうちからぜひ受けていただきたい。
(文=編集部)

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