症状の現われ方も百人百様で、倦怠感、うつ、不眠などを訴える人もいれば、動悸、ほてり、冷や汗などを訴える人もいる。肩こり、腰痛、関節痛を訴える人もいれば、排尿痛や性交痛を訴える人もいる。はっきりとした統計はないが、更年期障害を自覚する人は10人中、2~3人であるという説もある。一口に更年期といっても、症状の現われ方には個人差が大きいのである。
このため、症状がきつい人は、精神的に弱いからだ、仕事をしていないからだなどと、あたかも自分に性格的、社会的な問題があるように考えたり、他人と比較して自分を責めたりしがちだが、それは大いなる誤解である。
なぜならば、更年期の不快な症状は、主にホルモンのバランスが崩れることから生じるものだからである。次回は、そのメカニズムについて解説することにしよう。
<編集部から>
NHKの朝の看板番組『あさイチ』(6月22日放送)のコーナー特集「女のホケン室」が閉経特集を組んで話題になっている。朝から刺激が強いとの批判もあるが、女性にとっては切実な問題。宮沢先生の新連載でもしっかりとした医学的な解説と女性の本音に迫っていく予定。