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歯の本数が少ない高齢者は睡眠リスク高まる…睡眠時無呼吸症候群が体に及ぼす悪影響

睡眠にまつわる病気 睡眠時無呼吸症候群は突然死、高脂血症、糖尿病、うつ病と関連

 睡眠にまつわる病気には様々な種類があり、短時間睡眠は「不眠症」、長時間睡眠は「過眠症」の症状の1つでもある。その中でも特に注意が必要な病気は「睡眠時無呼吸低呼吸症候群」だ。

 睡眠時無呼吸低呼吸症候群は、睡眠中に何らかの原因で気道が狭くなり呼吸が止まる(無呼吸)、弱くなる、いびきをかく(低呼吸)などの症状を繰り返すため、良質な睡眠が取れず日中に強い眠気に襲われるケースもある。その結果、判断力や集中力の低下が起こり、重大な事故や労働災害などにつながるリスクが発生するのだ。

 また、睡眠中に無呼吸、低呼吸が起こると、血液中の酸素が不足したり、呼吸によって体外に二酸化炭素を吐く力が弱まり、血液中の二酸化炭素濃度が濃くなったりする。その結果、心臓、肺、循環器系などに負担がかかり、高血圧、心臓疾患、脳血管障害などを引き起こし、突然死の原因になることもある。その他、高脂血症、糖尿病、自律神経の異常やうつ病などの精神疾患とも関連していると言われている。

 睡眠時無呼吸低呼吸症候群の検査法に、睡眠日誌、ピッツバーク睡眠質問票、エプワース眠気尺度などがある。エプワース眠気尺度はセルフチェックができ、10点以上ならば要注意、15点以上なら医師の診断が必要になる。その他、睡眠呼吸障害などの睡眠中の異常を評価する簡易型睡眠検査、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)と日中の眠気を評価する多回睡眠潜時検査(MSLT)、覚醒維持検査(MWT)などの検査法もあり、睡眠時無呼吸低呼吸症候群の自覚が少しでもある人は、是非チェックしてほしい。(睡眠時無呼吸低呼吸症候群の詳しい検査方法はこちら)

 睡眠時間は長すぎても短すぎても健康によくないことは知られているが、睡眠の目的や睡眠の効果、さらには理想的な睡眠とは何かなど、未だ解明されていない。

 睡眠の重要性に関してまだまだ意識が低いとされる日本人。経済協力開発機構(OECD)が2009年に行った睡眠の実態調査では、対象となった18カ国の中で、日本の平均睡眠時間は韓国と並んで世界の最低水準にあった。最近では韓国よりも短くなったといわれている。

 睡眠と健康や疾患との関係性、重要性について普及させる必要がありそうだ。
(文=編集部)

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