ランニングが「椎間板に垂直方向の負荷を適度にかける」
なぜこのようなことが生じたのかは推測の域をまだ出ないが、研究者は「椎間板に垂直方向の負荷を適度にかけることができているからではないか」と述べている。
一般的には「椎間板に負荷をかけることはよくない」とされてきたが、ランニングのように椎間板に「垂直に負荷」がかかることで、椎間板を鍛えることができるかもしれないというのだ。
実際、骨の場合も適度な垂直方向の負荷が、骨粗しょう症に有効――という報告がある。それと原理は似ているのかもしれない。
「走る」ことには、さまざまなメリットがあることはすでに証明されている。そのうえ腰痛の原因となる椎間板も鍛えることができるとわかれば、これはもう走るしかない。
ただし、正しいフォームで適切に走る、ということが前提であることをお忘れなく。
Belavý, D. L. et al. Running exercise strengthens the intervertebral disc. Sci. Rep. 7, 45975; doi: 10.1038/srep45975 (2017).
Adams, M. A. & Hutton, W. C. Prolapsed intervertebral disc. A hyperflexion injury 1981 Volvo Award in Basic Science. Spine 7, 184–191 (1982).
Schmidt, H., Heuer, F. & Wilke, H.-J. Dependency of disc degeneration on shear and tensile strains between annular fiber layers for complex loads. Med. Eng. Phys. 31, 642–649 (2009).