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【連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」第20回】

ニセ薬でも「腰痛」は改善する! 驚きの 「プラセボ効果」の正体は<信頼関係>?

「必ず治るから大丈夫」という気持ちが治療効果を左右

 この実験結果から、「医師と患者の信頼関係」は治療の上からも、とても重要であることが改めてわかる。

 以前の連載記事『慢性腰痛は「医療者の言葉」が原因!? ネガティブな発言に惑わされるな(http://healthpress.jp/2015/10/post-2070.html)』でもそのことに触れているが、医師や医療従事者の言葉、というのはとても重要だ。その言葉によって、治療結果が変化することが実際に論文で報告されている。

 今回のプラセボ効果と腰痛の改善の研究によって、改めて慢性的に続く腰痛というものが、筋肉の強さや骨の形だけでは解決できないということが示唆された。
 
 もちろん、腰痛が発生している大きな原因は動きや姿勢などにあることは間違いない。しかし、それだけで腰痛の全てを語ることは難しい。より多角的に、時にはプラセボ効果も利用して、腰痛というものを考えていく必要がありそうだ。

 医師はレントゲン写真と向き合って治療するのではなく、患者自身をより診る必要があるだろうし、患者は腰痛に対して「気持ち次第でいくらか改善する」という前向きな気持ちを持つ必要があるだろう。

 腰痛に悩んでいる人はまず、「必ず治るから大丈夫」というような前向きな気持ちで腰痛と向き合っていくことから始めてみるのが良いかもしれない。


 
連載「国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」バックナンバー

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

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