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【連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第12回】

乳酸菌は「胃がん」の最大の原因であるピロリ菌の除去にも効果を発揮!

除菌治療と乳酸菌の併用で除菌率をアップ

 ピロリ菌を除菌することで、胃がんを予防できる確率は高くなる。ピロリ菌の除菌は、抗生物質で行われるが、残念ながら薬剤による除菌率は100%ではない。また、抗生物質を使うことで、耐性菌が増加するという問題もある。そこで、注目されはじめたのが摂取するとピロリ菌を減らせることがわかった一部の乳酸菌だ。

 ある実験では、ピロリ菌陽性患者にそのようなヨーグルト90gを1日2回、4週間にわたって食べてもらい、最後の1週間はヨーグルトと除菌治療の両方を行った。その結果、通常の除菌治療をしたグループの除菌率は77.8%に対し、ヨーグルトを併用したグループは89.3%まで除菌率がアップしたという結果が出た。

 このほか、乳酸菌と除菌治療の実験は様々行われており、いずれも除菌率のアップという結果が示されている。

 このように除菌治療と併用することで、除菌率をあげることができることがわかり、病院によっては除菌治療と並行してピロリ菌を減らす乳酸菌入りのヨーグルトをすすめているところもある。胃がん予防に関連する乳酸菌としては、LG-21株、BF-1株、ロイテリ菌、SN13T株などがあげられる。

 胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返す、なんとなく胃の調子が悪いといった人は一度ピロリ菌の検査を受けた方がよいだろう。ピロリ菌の除菌治療は、これまで胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの病気のみに健康保険が適用になっていたが、2013年からは慢性胃炎も保険適用となっている。


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後藤利夫(ごとう・としお)
1988年 東京大学医学部卒業。1992年東京大学附属病院内科助手。現在、新宿大腸クリニック院長。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック公式HP http://www.daicho-clinic.com

連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」バックナンバー

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