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【春だ、歩こう! アンチエイジングを高めるウオーキングの効用【後編】】

スティーブ・ジョブズも行っていた「ウオーキング会議」~健康増進だけではない意外な効果!

セロトニンが増え創造的なひらめきが生まれ、愛社精神も強まる

 セントレオ大学ドナルド・R・タピア・スクール・オブ・ビジネスのラッセル・クレイトン助教授らは、社会人約150人にウオーキング会議のアンケートを実施した。

 ウオーキング会議の実践者は、非実践者より「創造的に仕事に取り組める」割合が5.25%高く、「認知力や集中力が高まる」割合も8.5%高かった。

 費用対効果の観点から見ても、日常的にウオーキング会議で生じるコストはゼロ。ウオーキング会議は休憩ではない。創造性や集中力を高める手段としては、極めてコストパフォーマンスのいいノウハウだ。特に管理職や専門職の人は、技術職や事務職の人よりも創造性が高まる割合が高いことも分かった。

 米国の医療保険機構カイザーパーマネンテのトータルヘルスセンター院長を務めるテッド・イータン医師は、ウオーキング会議の積極的な推進者だ。神経科学の観点から見ると、歩行中はセロトニンなどの脳内の神経伝達物質が分泌されるので、脳がよりリラックスし、創造的なひらめきが生まれやすいという。つまり、仕事への集中力や対応力などを司る脳の実行機能の働きを活性化する。さらに、上司と部下、同僚同士のバリアーが取り除かれ、絆や愛社精神が強まる。

 オラクルの製品開発担当シニアディレクターのデイビッド・ヘイムズも「オフィスでチームメンバーと向かい合うと、組織での上下関係がより強く現れるが、アウトドアで並んで歩くと、オフィスでの会議よりも対等な会話が成り立つ。ウオーキング会議に適しているのは、何かの判断や意思決定について話し合う時や、解決法を探るような時だ」と語る。

ウオーキング会議は最大3人まで

 このような多くの成功事例が示すように、ウオーキング会議は、さまざまな効用がある。創造性や集中力の向上、仲間意識の強化、対等な会話、忌憚のない意見交換、生産性のアップなどいいこと尽くめ!

 なによりも、春夏秋冬の自然の息吹きに触れるため、快適で健康にいいうえに、ストレスから解放される。ウオーキング会議を習慣にすべきでない理由はない。今日からでも試してみてはいかがだろう。

 その気になったあなたにヒントを伝えよう。

 ウオーキング会議の人数は最大3人までに留めること。参加者には前もって知らせておき、突然の誘いで同僚やクライアントを驚かせない。そうすれば相手はラフな服装に着替えたり、シューズに履き替えられる。ペットボトルの水を用意するのも忘れずに。散歩先は、仕事と直接関連しないリラックスできる場所に誘えば、歩くモチーベーションが高まる。歩行中は不必要なカロリーを摂取しないことも大切だ。

 さあ、春の陽ざしに包まれながら、ウオーキング会議を楽しもう!
(文=編集部)

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