MENU

【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」11回】

市販「粉チーズ」の安全性を検証〜輸入チーズは命にかかわる"リステリア菌汚染"の危険も

輸入チーズにはリステリア菌汚染の危険も

●成城石井「ガルバーニ パルミジャーノ・レッジャーノ」

 「ガルバーニ」は、130年以上の伝統を持つイタリアのチーズブランドです。マスカルポーネ、リコッタ、モッツアレラが、イタリアの4大チーズブランドです。「パルミジャーノ・レッジャーノ」は16カ月以上熟成したチーズのみに認められるDOP(原産地保護)マークが付くチーズです。

 DOPマークが付いているイタリアチーズは、他にタレッジなど40種ほどあります。この商品は「パルミジャーノ・レッジャーノ」を100%原料とした純粋な粉チーズです。

 薄茶に近いクリーム色をしたナチュラルチーズで、中身には白い粒々が点在しています。この粒は旨味の結晶です。長期間熟成したチーズにのみできる現象です。豊かな香りとコクがあり、噛めばかむほどに旨味を感じるのが「パルミジャーノ・レッジャーノ」です。

 それをすりおろし粉チーズにしているのですから、贅沢な粉チーズと言えます。「リステリア菌検査は定期的に行っている」とメーカーの成城石井では言っています。

 チーズ最大の恐怖はリステリア菌汚染です。2013年11月、デンマークから輸入したナチュラルチーズからリステリア菌が検出され。自主回収措置になりました。すでに市場に流通した後、業者の自主検査でリステリア菌に汚染されていることが分かったのです。

 成城石井だけでなく、輸入チーズを販売している日本の乳業メーカーは、リステリア菌を非常に警戒し、定期検査を行っています。リステリア菌は土壌中にいるバクテリア菌の仲間で、中毒を起こす食品は、ほとんどがチーズです。

 低温や高い塩分濃度でも増殖する特異な食中毒菌で、感染するとリステリア症に罹り、高熱や頭痛、けいれんなどの症状が出ます。高齢者や乳幼児の場合は生命にかかわることもあります。1999年に欧州でチーズから相次いで検出され、食卓からチーズが消える寸前までになりました。

 輸入チーズには危険な菌も輸入していることを肝に銘じるべきです。

シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

郡司和夫の記事一覧

郡司和夫

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche