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自前の歯が少ないほど死亡率が高い!心筋梗塞や脳卒中の危険性が増大

 歯の喪失と心血管疾患とを関連づける要因は、日本の成人の約80%が罹っているといわれる「歯周病」だ。2005年に国が実施した「抜歯原因調査」によると、歯が失われる原因で最も多かったのが歯周病の42%。以下、むし歯が32%、その他(親不知の抜歯など)が13%、破折が11%、矯正が1%と続く。中高年になるほど、歯周病で歯を失う割合が高い。

 歯周病を悪化させると、歯周病原因菌が口の中から血管に入り込み、その刺激で血管内にプラーク(脂肪性沈着物)ができて、血液の通り道が細くなる。さらにプラークやプラークが剥がれてできた血の塊が、脳や心臓の血管を詰まらせることが、脳卒中や心筋梗塞の原因となる。

 このように歯周病を放置することで不潔になった口内環境は、巡り巡って全身に影響を及ぼすため、決して軽く見てはいけない。特に血圧やコレステロール、中性脂肪が高めの人は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防と治療がより重要になってくる。健康な老後の生活のためにも、私たちは「自分の歯を何本残していくか」に、もっと注意を払うべきだろう。
(文=編集部)

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