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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」10回】

まだまだ鍋の季節、市販の「鍋スープ」は危険な添加物がいっぱい!

濃厚味を売りにしている加工食品には大量の添加物が

●ミツカン「〆まで美味しいとんこつしょうゆ鍋つゆストレート」

 ミツカンの「〆まで美味しい鍋つゆ」シリーズのひとつです。「じっくり煮込んだ豚骨、鶏ガラのスープに野菜スープと本醸造しょうゆを加えたコクがあって、濃厚な味わいのとんこつしょうゆ鍋つゆです」と、ホームページで紹介しています。

 濃厚味を売りにしている加工食品は、例外なく添加物が多くなっています。同商品も、調味料(アミノ酸等)、アルコール、レシチン、増粘剤(キサンタンガム)、香料が使われています。同じシリーズの「あっさりしていてコクがあるシリーズ」の寄せ鍋のつゆでは、添加物は調味料(アミノ酸等)とアルコールだけです。同シリーズの商品を使うのなら、「あっさり味」の方がいいでしょう。添加物も塩分も少ないからです。

 濃厚な味わいシリーズの同商品に使われているレシチンは乳化剤です。「とりすぎると下痢、腹部膨満感、胃部不快感、むかつきを起こすことがある」との指摘があります。

 増粘剤(キサンタンガム)は、粘り気を出す添加物です。キサンタン(キサンタンガム)には、「動物実験で軟便」との報告があります。

 香料の具体的物質は企業秘密で明らかにしませんが、食品に使われている香料は100%合成香料です。天然香料ではコストが高くなりすぎるからです。合成香料でアレルギーを起こす人が増えていますので要注意です。

●キッコーマン「チーズ豆乳鍋スープ」

 同商品のレトルトパウチ容器には「チーズと豆乳のクリーミーな味わい」と書かれています。原材料表示のトップに出てくるのが豆乳です。豆乳はグループ会社のキッコーマンソイフーズが製造している無調整豆乳を使用していますから、無添加です。

 主原料の豆乳は無添加ですが、「鍋スープ」としては多くの添加物が使われています。増粘剤(加工デンプン)、調味料(アミノ酸)、乳化剤、pH調整剤、酸味料が添加物です。

 調味料(アミノ酸)は、グルタミン酸ナトリウムかグリシンのどちらかが使用されています。グリシンは、コンビニ弁当などの炊飯改良剤にも使われているアミノ酸系化学調味料です。「食品添加物公定書解説書」には、「ラットに10%添加飼料を与えると発育が遅れ、クレアチニン尿症、白血球の減少が認められた」との指摘があります。

 乳化剤に関しては前述した通りです。

 pH調整剤には、複数の添加物が使用されています。リン酸が使用されていれば、体内カルシウムの減少につながる可能性があります。

 酸味料は、クエン酸かグルコノデルタラクトンの使用が圧倒的です。どちらの添加物も毒性の報告はありませんが、グルコノデルタラクトンは分解するとラクトンが生じます。ラクトン類には発がん物質が多いので注意が必要な添加物です。

 以上のように、市販の鍋スープには多くの問題があります。鍋料理は自前のスープで調理するのが一番です。


シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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