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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」10回】

まだまだ鍋の季節、市販の「鍋スープ」は危険な添加物がいっぱい!

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市販の鍋スープには多くの問題が(shutterstock.com)

 全国的に厳しい冷え込みの日が続くこの頃、家族や友人たちと鍋を囲む機会も何かと多いはず。しかし、安易に市販されている鍋スープを使ったら、せっかくの素材も台なしになってしまうし、添加物など健康への影響も心配されます。

 そこで、スーパーなどでよく見かける代表的な鍋スープの問題点を指摘してみました。

●ダイショー「野菜をいっぱい食べる鍋 トマトチーズ鍋スープ」

 メーカーのホームページを見ると、「野菜本来のおいしさを充分に引き立たせるため、チェーダーチーズとクリームチーズが溶け込んだスープに、トマトのうま味とポークのコクを加えた野菜が主役の鍋スープ」と強調するストレートタイプの鍋スープです。

 この鍋スープの最大の問題点は砂糖の使用量が非常に多いこと。それは原材料表示のトップに砂糖が記載されていることからも明らかです。というのも、JAS法品質表示基準によって、原材料名は「食品添加物以外の原材料」と「食品添加物」に分け、しかも、重量順に表示することが決められています。ですから、食品表示を見るときは、最初の1、2品目をまずチェックすれば、どんな商品なのか大まかな判断はつきます。この商品は砂糖が最初に記されていることから、その使用量の多さがわかります。野菜をいっぱい食べるより、糖分の摂り過ぎを心配しなければいけません。

 また、食品添加物も、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、キサンタン)、酸味料、乳化剤と、健康への不安のあるものばかりです。

 ここでは特に、乳化剤の危険性について記しておきます。水と油のように本来、混じらないものを混じり合わせるのが乳化剤で、界面活性剤とも呼ばれます。大豆サボニンや大豆レシチンといった大豆由来の乳化剤は安全性に問題はありませんが、この鍋スープにはどんな物質が使用されているかは表示されていません。もし化学合成された乳化剤なら心配です。毒性を指摘されているものがあるからです。

 たとえば、ソルビット(ソルビトール:甘味料)と脂肪酸を加熱してエステル化して得られるソルビタン脂肪酸エステルは、アイスクリーム、ショートニング、マヨネーズ、バタークリームなどに使われますが、ラットの実験で10%以上の添加飼料を与えると、死亡率増加、成長抑制、肝および腎の肥大が認められたとの報告があります(六版「食品添加物公定書解説書」)。さらに、健康食品にも利用されているコンドロイチン硫酸ナトリウムは、魚肉ソーセージ、マヨネーズ、ドレッシングに乳化剤として使われますが、「動物実験でリンパ球の減少、腎重量の増加が見られた。マウスによる実験で口蓋破壊などの奇形が見られた」と文献に指摘されています。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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