飲みかけのペットボトル飲料は早めに飲み切るべし! shutterstock.com
ペットボトルの飲料水を飲みかけのまま放っておき、次の日に残りを飲む――。そんな日常的な習慣に、思わぬ危険が潜んでいる。ペットボトルに入った飲料水を口をつけて飲むと、ボトル内には細菌が入り込む。
そして暑い夏場、常温のまま放置しておくと、瞬く間に細菌が繁殖する。そんな雑菌だらけの飲料水を飲んでしまうと、腹痛や食中毒のほか、さまざまな病気を引き起こす可能性がある。
清涼飲料水は当然としても、ミネラルウォーターならそれほど雑菌は繁殖しないだろうと勝手なイメージを持ってしまいがち。だが、それは大きな誤解だ。直接、ペットボトルに口をつけて飲んだ「原水の違い」によって、どのくらい細菌の繁殖数に影響があるのかを調査した「水を考えるプロジェクト」による研究結果が興味深い。
この実験では、2種の「国産天然水」と、ウォーターサーバーなどでよく使われる逆浸透膜で処理された「RO水(Reverse Osmosis=逆浸透圧)」、「ミネラル添加RO水」の4種類で行われた。いずれも保管期間24時間までは、それぞれの試験水の菌数には大きな差は見られなかったが、保管期間48時間を経過すると、国産天然水の2種は菌数が増加した。一方、RO水とミネラル添加RO水は、時間経過と共に菌数が減少する結果となった。
天然水より水道水にフィルターをかけたほうが菌は発生しにくい?
この実験の結果から、飲みかけの水の入ったペットボトルを放置しておくと、原水の違いで菌の繁殖のしやすさが変わることが分かった。加えて、国産天然水よりもRO水、つまり、逆浸透膜にかけた水のほうが、菌が増えるリスクが少ないことが判明した。
その理由は、水に含まれる栄養成分の量によるものと推測されている。逆浸透膜で処理されたRO水は、国産天然水よりも菌の増殖に必要な栄養成分がより除去されているという見方だ。
ここで改めて天然水とRO水の違いを確認しておきたい。
天然水とは、人工的な処理を行っていない特定の水源から採水した地下水を、安全に飲めるよう不純物を処理するためにろ過と加熱殺菌を施したものである。一方、RO水は、逆浸透膜という超微細孔フィルターでミネラルまで除去したものだ。いわゆる「純水」に非常に近い。ミネラルが除去されてしまうと、おいしさの点で劣るが、菌は増殖しにくいというメリットがあるようだ。