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【シリーズ「傑物たちの生と死の真実」第26回】

ミッフィーの生みの親ディック・ブルーナ89歳の天寿 「老衰」とは何か?

デザインはシンプルが一番。シンプルを心がければ、見る人がいっぱい想像できる!

 天寿を全うしたブルーナの魅力は何だろう? それはシンプルなラインと美しい原色(ブルーナ・カラー)に彩られたモダンなデザインに尽きる。

 ミッフィーの目は2つの点、口は1つのバッテンだけ。シンプルという魔法をかけながら、子どもにワンダーランドの夢をプレゼントしたブルーナ。童顔がニコニコしながら、見つめている。

 「デザインはシンプルであることが一番大事。完璧であるだけでなく、できるだけシンプルを心がける。そうすれば見る人がいっぱい想像できるのです。これがわたしの哲学。ぼくの仕事のやり方は毎日の積み重ねです。いつでも、今日は昨日より少しでもいいものをつくろうと心がけて、ずっとやってきました。昨日よりもっとがんばろうと思う熱い気持ちと努力を継続していくことができれば、だれもが平等に輝くことができると、ぼくは信じています」(ディック・ブルーナ 『ディック・ブルーナのデザイン』 /『ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと』より )。

 ブルーナを楽しめるイベントがある――。3月6日(火)から3月15日(木)まで、東京・西武池袋本店別館2階(西武ギャラリー)でミッフィーの雑貨のお祭り「ミッフィーzakkaフェスタ」が開催される。入場無料。また「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展は、東京、福岡を巡り、鹿児島の長島美術館で開催中(1月21日まで)。3月20日~5月6日まで青森県立美術館コミュニティギャラリー、6月16日~7月29日までは兵庫県の伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センターで開催される。
(文=佐藤博)

*参考:『ディック・ブルーナ 夢を描き続ける力』(ディック・ブルーナ/KADOKAWA)


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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