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【インタビュー「血糖値を上手にコントロールする年末年始の過ごし方」後編:角田圭子医師(駅前つのだクリニック院長)】

血糖値を手軽に<見える化>~パン・肉まん・カレーライスを食べると血糖値が……

厳しい食事制限も運動も必要ない

 角田医師は糖尿病ではないが、患者に勧めるうえで「FreeStyleリブレPro」を自分自身で装着してみた。「痛みや違和感はありません。装着していることを忘れて生活していました」と語る。

 そして、宴会に出席したときや食事を抜いたときなどで、血糖値がどのように変動するのかを確かめた。自らの体でモニタリングしたのである。

 「たとえば、宴会でたくさんの料理が出ても、2~3時間かけてゆっくりと食べると血糖値はほとんど上がらない。また、食欲がないのに無理をして朝食を取らなくても、血糖値がグングン下がる――ということはありませんでした」

 「ヒトは飢餓に耐えて生き残ってきたという歴史があります。1食抜いたぐらいで血糖値に大きな変動はないのかもしれない、と自身データをチェックしながら納得しました」

 「FreeStyleリブレPro」(参考:アボットジャパン「FreeStyleリブレProの公式HP」)は、インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬を服薬している患者などの場合、一定の要件を満たす医療機関だと保険適用の対象だ。

 「患者さんの中には、『食べないと元気がでない』『体がもたない』と訴える人も少なくありません。このような人には私が言葉で説明するよりも、測定した血糖値の変動を視覚的に示すほうが、ご自身が納得して食習慣を変えていきやすいようです」

 糖尿病の予防・改善のために、食べる喜びをあきらめたり、ストイックな運動を強制されなくてもいい。「大切なのは<意識を変える>こと。その第一歩は自分自身をよく知ることです」と角田医師は語った。
(取材・文=森真希)

角田圭子(つのだ・けいこ)
駅前つのだクリニック院長。医学博士。日本糖尿病学会認定専門医・指導医。日本内科学会認定内科医。和歌山県立医科大学卒業。関西医療大学内科学講師、木村病院内科、河北総合病院内科を経て駅前つのだクリニックを開設。糖尿病をはじめ、生活習慣病の管理全般を中心とした専門性の高い診療を行っている。

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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