足の爪に入り込む「爪白癬」で歩行困難に
白癬菌が足の爪に入り込むと「爪白癬」になる。これまで爪白癬は、飲み薬でしか治療できなかったが、平成26年に「クレナフィン」という薬が、また、平成28年に「ルコナック」という薬が認可された。どちらも爪白癬用の塗り薬だ。
特に高齢者の場合、免疫力が下がることもあって、水虫にかかりやすいという調査結果が出ている。文京学院大学の藤谷克己教授の研究によると、爪白癬の罹患率は、一般成人では9%だが、65歳以上の人では55%だったという(履いていた靴下を培地にこすり付けた後、2週間培養することで白癬菌の有無を判断)。
高齢者が爪白癬にかかると、歩行困難の原因にもなり、生活の質(QOL)の低下に直結すると、警鐘を鳴らしている。
高齢者が歩行困難になったら、「認知症」や「寝たきり生活」まっしぐらだ。同居している家族も高齢者の足を観察して、疑わしかったらすぐに医者に行き水虫治療をしよう。
家族に水虫の人がいたら、使うタオルは共用しないほうがいい。普通に洗濯すれば、白癬菌は洗い流されるので、別々に洗う必要はない。掃除も同じだ。水虫の人の角質が剥がれ落ちれば、そこに白癬菌が確実にいる。それらは掃除をして、除去するようにしたい。
(文=編集部)