デリケートゾーンのニオイ、気になりますか?(depositphotos.com)
夏に向け汗や湿気によりさらに気になるのが、女性器のトラブル。特に自覚症状がないからといって、放っておいたら大変なことになる、なんてことも……。
見過ごせない悪臭から「膣カンジダ症」さらに「更年期障害」との関係まで、誰もが気になる女性器の不調について、「女性の駆け込み寺」こと『咲江レディスクリニック』丹羽咲江院長に話を聞いた。
「すそワキガ」のニオイとは?
気になる女性器のニオイは一般的に「すそワキガ」などと呼ばれることがあるが、「そもそも産婦人科界隈には〈すそワキガ〉という言葉はありません。美容整形の世界に特化した言葉のようですね」と丹羽院長は説明する。
それでは一体どんなニオイが「悪臭」と言われるものなのだろう?
「ニオイがきつい人はパンツを脱いだ瞬間にわかります、もわ~っと臭ってきますから。その原因は、たいてい〈アミン臭〉といわれる魚が腐ったような生臭さです。ちゃんと『私、クサイかも』と異変を自覚できるニオイです」
ニオイの原因はいくつかあるが、元をたどるとほとんどは「体の不調」に行き当たるという。
「現代女性はとにかく不健康な環境下に置かれがちです。食生活の乱れや睡眠時間の減少、過労、ストレス、などなど……。そうして体が弱ると、膣内の自浄作用が低下します。どういうことかといいますと、膣内に常在している〈デーデルライン桿菌〉という、清潔を保つために雑菌を殺す役割の乳酸菌が、減ってしまいます」
すると膣内で雑菌が増殖、「細菌性膣炎」と診断される症状に発展することも多々ある。
「『細菌性膣炎』は、増殖した菌の種類にもよりますが、どろりとした鼻水のようなおりものが増えたり、かぶれて痒くなったり、痛くなることもあります。同時に、生臭い悪臭を放ちます」
ほかにも「クラミジア感染症」などの性感染症が悪臭を引き起こすこともあるそうだ。
「クラミジア感染症や淋病感染症などの一般的な性感染症は、それ自体の自覚症状はほぼありません。ですが、たいてい感染すると膣内の細菌バランスが崩れるので、やがて一般細菌も繁殖し、ニオイの原因になるのです。ちなみに、性感染症の中でいちばん悪臭がするのが、『トリコモナス感染症』です」