イチゴに用いる農薬には約200の成分
農薬の使用実態やイチゴの残留農薬検査結果が不明な観光農園はあぶない!
イチゴは農薬使用が多い果実のひとつだ。約200の成分の農薬の使用が許可されているのだ。もちろんそれらの農薬が全て使われているわけではないが、1種類や2種類ではない、相当数使用されていると考えたほうがいい。しかもイチゴの表皮がぶつぶつになっているため、そこに農薬が残留しやすいのだ。
イチゴでよく残留が確認されているのが成分がプロシミドンだ。この成分は住友化学が開発した殺菌剤で、動物の生殖機能に悪影響を与える環境ホルモン作用が確認されている。米国でのラットを用いた実験では、胎児に生殖障害を引き起こすことが分かっている。
妊娠中の母ラットにプロシミドンを与えると、生まれてくる子ラットに尿道下裂(尿道の開口部が正常な位置にない先天異常)などの先天性奇形が生じたのだ。
では、このプロシミドンがイチゴにどのくらいの量が残留していたことがあるのだろうか大阪府の検査では2008年に0.87ppm=0.87mg/kg、2012年に0.69ppm=0.69mg/kgの残留が確認されている。
30分のイチゴ狩り食べ放題で、イチゴが大好きな子どもなら150g(1パックの半分くらい)は簡単に食べてしまうだろう。もし、イチゴに0.69ppmが残留していれば、0.1035mgのプロシミドンを摂取することになる。
プロシミドンのADI(1日摂取許容量)は、0.035mg/kg(体重)/日。体重25kgの子どもなら0.875mg/日となる。パック半分くらい(150グラム)食べて、ADIの約8分の1の量のプロシミドンの摂取ということになってしまう。
8分の1だったら問題ないではないかと思う方も多いはず。しかし、残留農薬に厳しいEU(欧州連合)の規制値と比較すると、非常に不安になる。EUのAFRD(短期間に食べた場合の許容量)は、0.012mg/㎏・体重。25kgの子どもなら0.3mgが許容量だ。パック半分食べると、EUのARFDの3分の1の量の摂取となる。子どもは放っておくと1パックのイチゴぐらいすぐに食べてしまうのでやはり注意してほしい。