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【インタビュー「自宅や職場からの遠隔診察を可能に」第3回:新六本木クリニック・来田誠院長】

<治療の中断>を減らした「オンライン診療」~会社やカフェからアクセスする患者たち

医療機関の敷居を下げることが今後のさらなる目標

――ネットでの診察を進展させて「24時間受診」のような構想はありますか?

 基本的に一般の医療機関でも夜間対応は救急などの緊急時。24時間受診できることが、はたして治療的に正しいのかどうか疑問です。相談サービスを24時間提供というのは、医療とは質の異なるものではないでしょうか。

 診療所が行うべき医療なのか、正直なところ疑問を感じます。

――オンライン診療のシステムを開発してよかった、そう感じたケースを教えてください。

 遠方に転勤される患者さんには、転勤先の医療機関の紹介にとどまっていました。転勤がきっかけで、結果として治療の中断に至った方もいました。現在はオンライン診療によって、治療の継続が可能なケースもあると感じています。

 地方に引っ越した方でも、上京される機会を使って対面診察を行うことができます。そのようなケースも含めて、<治療の中断>が起こりにくくなっているのを確かに感じます。

――今後の展望を教えてください。

 医療機関の敷居を下げることで、患者さんにとって必要な医療を受けるチャンスが増えれば――と願っています。

(取材・文=里中高志/精神保健福祉士、フリージャーナリスト)


来田誠(きただ まこと)

1980年生まれ。京都大学医学部卒業。大阪赤十字病院での初期研修を経て、医療法人養心会 国分病院に勤務。2010年より大和西大寺きょうこころのクリニック院長。2016年1月に新六本木クリニックを開設。専門は産業精神保健で、現在診療と並行し上場企業等7社の産業医を受託し、職場のメンタルヘルス改善に取り組んでいる。(資格)精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医、産業医、(所属学会)日本精神神経学会、日本産業精神保健学会、日本遠隔医療学会。

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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