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曲がり角に差しかかっている日本の「置き薬」~途上国の患者を救うことができるか? 

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日本の置き薬がアフリカで活躍?

 12月12日は、何の日?

 「バッテリーの日」「漢字の日」「明太子の日」などいろいろあるが、ほとんど知られていないのが「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)・デー」。

 <誰もが、どこでも、お金に困ることなく、 自分の必要な質の良い保健・医療サービスを受けられる状態を実現するよう世界に呼びかける日>だ。

 2012年12月12日、国連総会でユニバーサル・ヘルス・カバレッジを国際社会共通の目標とすることが議決され、さらにこれを記念して、市民社会が中心となって2014年から12月12日を「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・デー」とすることになった。

 しかし、国民皆保険、かつ医療機関へのフリーアクセスが保障されている日本にいると、なかなか実感できないのが発展途上国での劣悪な医療状況や先進国の低所得層を中心とした大量の医療難民の存在だ。

アフリカの医療を支援する手段としての置き薬

 薬剤師の町井恵理さんは、青年海外協力隊としてアフリカのニジェール共和国で2年間、 感染症対策のボランティア活動に従事。保健・医療のサービスを当たり前に受けることがどれほど難しいのかを目の当たりにしてきた。

「ニジェールは世界最貧国の1つ。識字率・平均余命などが世界基準よりも著しく低い国です。私はそのニジェールで、感染症予防の啓発活動を行っていました。その結果、人々にマラリアやエイズについて多くの知識を伝えることができましたが、ニジェールのように貧しい国では、たとえ正しい知識があっても、経済的な理由から、知識にそって正しく行動することが非常に難しいと気づかされました」
 
 どうすればアフリカの医療をさらに改善できるか考え続けた結果、たどり着いたのが日本の伝統的な「置き薬」システムだった。

 2013年12月、町井さんはNPO法人AfriMedico/アフリメディコ を設立。日本の伝統的な「富山の置き薬」(配置薬)の仕組みをアフリカに広める活動をはじめた。家庭などに薬を預け、後に使用した分の代金を回収、薬の補充を行い、早期治療や重症化防止などを目的としている。

 この仕組みによって、医療アクセスが困難な地域の患者が遠い病院に行き、長い待ち時間を過ごす必要が無くなる。必要な時に必要な医薬品を使用できるため、置き薬は急場をしのぐ<簡易ホームドクター>のようなものと言ってもよいかもしれない。

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