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【インタビュー「女性の薄毛トラブル対策」第1回:北嶋渉医師(銀座HSクリニック院長)】

女性の「薄毛」は20〜30代から進行! 頭部全体の毛髪が薄くなる「びまん性薄毛」の原因は?

男性と女性の「薄毛」の違いとは?

――男性の薄毛との違いや特徴を教えてください。

 男性の薄毛は「男性型脱毛症(AGA)」と称され、男性ホルモンがある物質と結びつくことにより育毛を阻害し、前頭部から後頭部にかけて薄毛になることが明らかになっています。頭髪の左右の生え際や、つむじのあたりに顕著な脱毛が見られます。

 一方、女性の薄毛は要因もさまざまで、頭部全体にわって毛髪が薄い「びまん性の薄毛」が多いですね。男性のように分け目を変えても薄毛が全体に広がっているので、見た目の解決ができない。そのため、専門クリニックで治療が必要という患者さんが急増しています。

――びまん性の薄毛の原因は何でしょう。ストレスも大きいのでしょうか? なぜ専門クリニックで治療する必要があるのでしょうか?

 治療方法の選択肢が多いので改善しやすいのではないでしょうか。また、保険診療では女性の薄毛治療に有効な内服薬がないということもあります。

 びまん性薄毛の原因は、老化によるホルモンバランスの変化、貧血、内臓疾患、ストレス、過度なダイエット、産後のホルモンバランスなどさまざまです。稀に膠原病などの全身疾患が原因の患者さんがいますが、ほとんどの場合は原因を特定するのが極めて難しいです。

 ストレスが原因の可能性が高いとは言えますが、ストレスを数値化できないので、なかなか難しいところです。

びまん性薄毛を発症してしまう人の傾向は?

――びまん性薄毛を発症してしまう人の傾向はありますか? 髪の毛を引っ張り過ぎると薄毛になりやすいなど、まるで都市伝説のようないわれのない噂もありますが。

 患者さんの母親が薄毛傾向にある場合は薄毛になりやすいという遺伝的要因はあります。ただ、あくまでも傾向であって、すべての原因が遺伝にあるわけではありません。

 またロングヘアの人が薄毛になりやすいとか、ヘアアクセサリーなどで髪の毛を引っ張ると薄毛になるということもありません。加齢とともに人は誰でも老化しますが、老化と薄毛とは何の因果関係もありません。もちろん、見かけが老けているからといって薄毛になるわけでもありません。

――ありがとうございます。次回は薄毛女性の予防と改善のノウハウについてお訊きします。

(取材・文=夏目かをる)

北島渉(きたじま・わたる)
銀座HSクリニック院長。2003年、滋賀医科大学医学部卒業。京都府立医大病院皮膚科、京都市立病院皮膚科、京都第一赤十字病院皮膚科、綾部市立病院皮膚科などを経て、2010年、銀座HSクリニック院長に就任。

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