女性の「薄毛」は20〜30代から進行中!(shutterstock.com)
薄毛で悩む女性といえば、つい最近まで中高年だった。ところがここ10年ぐらいの間に20~30代女性も増えているという。原因はストレスや過度のダイエットによるバランスの崩れなど。そのため生活全般の見直しも必要になっている。
女性の薄毛の原因となりやすい人の傾向、病状による治療や最新治療を、銀座HSクリニックの北島渉先生に訊いた。
薄毛女性はすでに20〜30代から進行中!
――薄毛で悩む女性の数が増えています。薄毛といえば、かつては中高年に多いという印象でしたが、今は20代後半のアラサー以上の女性たちも悩んでいるといいます。北嶋先生のクリニックにも、アラサー以上の女性が増えていますか? 銀座HSクリニックで把握している統計を教えてください。
6年前にクリニックを開業してから、患者さんの数は増加傾向にあります。インターネットの浸透によって専門的なクリニックを見つけやすくなっているからでしょう。
ただし、薄毛などの毛髪のトラブルで悩む女性の全体数は大きく変化してはいないと言えます。というのは、薄毛で悩む女性の数が増えているということに関する根拠やデータは当院では持ち合わせていないからです。
ただ、新規来院患者の男女比を見ていくと、ここ3年間、女性の割合が増えつつあります。男:女の割合は、2012年までは8:2、2013年以降は7:3から6:4くらいを推移しています。
女性は30〜40代の患者さんが増えていて、その約8割を占めます。この統計を見ると、薄毛を気にする若い世代が確実に増えていることがわかります。
――そもそも「薄毛」に定義はあるのでしょうか。
女性の薄毛には、はっきりした医学的な定義はありません。「見た目が薄い」「全体的に薄い」というビジュアルによるところが大きいです。
――なぜ医学的にはっきりした定義がないのでしょうか?
女性の薄毛に関しては、「はっきりした診断基準がない」ということです。「びまん性脱毛症」の定義としては、頭の広い範囲全体の髪が薄くなっている状態ですが、「男性型脱毛症(AGA)」と異なり、脱毛部分の境界もはっきりしません。
びまん性脱毛症というのは薄毛の状態のことで、原因については様々で特定が難しいのが実際です。