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「ドライアイ」はオフィスワーカーの3人に1人! あなたもセルフ・チェックで予防を!

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オフィスワーカーの「3人に1人」がドライアイ(shutterstock.com)

 薄情で冷たい人間を「血も涙もない」と貶(けな)すが、「鬼の目に涙」と情け心を濡らすのも人間。失恋したのか、涙が涸れるほど号泣したのか、悲しんでは流れ、悦んでは溢れる。涙なしの人生は考えられない。だが、空気が乾燥する秋から冬に悩まされるドライアイだけは願い下げだ。

オフィスワーカーの3人に1人はドライアイ

 日本眼科学会によれば、さまざまな要因によって涙の分泌量が減り、涙の質が低下するため、目の表面を潤す力が弱まった角結膜上皮の慢性疾患をドライアイと呼ぶ。日本の患者は約800~2200万人。オフィスワーカーの3人に1人はドライアイとか。

 なぜドライアイになるのだろう?

 涙は、眼球の外上側にある涙腺で作られる。目頭にある涙点から鼻の奥に排出されると、瞬きによって目の表面を潤し、一部は目の表面から蒸発する。表面を潤すだけでなく、角膜(黒目)や結膜(白目)の細胞に栄養を供給しているのも、涙の重要な働きだ。

 涙は、油層、水層、ムチン層がバランスを保ちながら、涙の安定性を維持している。涙の安定性が乱れると、涙が蒸発しやすくなり、目の表面が傷つきやすくなる。その結果、目の乾燥感だけでなく、異物感、疲労感、痛み、まぶしさ、視力の低下など、さまざまな慢性の不快感や視機能異常を伴う。

加齢、パソコンやスマホ、空気の乾燥、コンタクトレンズ……原因は複合的

 ドライアイになる要因は何だろう?

 第1は「加齢に伴う涙の分泌量や質の低下」だ。瞼(まぶた)の縁にあり、油を出すマイボーム腺が詰まるマイボーム腺機能不全を起こすと、涙に必要な油が出にくくなる。

 また、結膜が弛み、目の表面で涙を留めにくくなる結膜弛緩症を起こすと、弛んだ結膜が瞼と触れやすくなるため、目の表面が傷つきやすくなる。涙の分泌量の多寡や安定性の差によって、女性は男性よりドライアになりやすいとされる。

 第2は「パソコンやスマホ」だ。過度のVDT(visual display terminals)作業を長時間行うと、ドライアイが起こりやすい。

 第3は「空気の乾燥」。冬の乾燥した気候はドライアイを悪化させる。エアコンの吹き出し口にも注意しよう。

 第4は「コンタクトレンズ」。常用すると、角膜の負担が増えるため、ドライアイになりやすい。

 第5は「喫煙」。たばこの煙に曝されると、涙の安定性が乱れる。

 第6は「薬剤」。血圧降下剤や向精神薬などの抗コリン作用を持つ薬や、テガフール、ギメラシル、オテラシルカリウムなどの抗がん剤は、涙の分泌量を減少させる。

 第7は「点眼薬」。涙の安定性を低下させ、角膜に障害を与える防腐剤が含まれる点眼薬は、ドライアイを招く恐れがある。

 第8は「全身疾患」。たとえば、涙腺、唾液腺に対する自己免疫疾患のシェーグレン症候群に罹ると、強いドライアイを生じることがある。

 このように複合的な要因が引き起こす慢性疾患、それがドライアイだ。ドライアイを予防するには、以上の要因を減らすことに尽きる。

 たとえば、PCとの距離を40cm以上保つ、加湿器を用いる、エアコンの設定を変える、市販のドライアイ専用眼鏡を使う、外出時はUVカット加工のサングラスをかける、目を温める、目玉の体操をする、疲れ目に効果的なアントシアニン、DHA、ルテインなどを摂るなどが有効だ。

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