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繰り返される電通の激務・過労死事件~なぜ「過重労働」はなくならないのか?


 

まつりさんのTwitterには<早朝に帰宅>が頻出

 今回の「過労死等防止対策白書」は、「過労死等防止対策推進法」(2014年に施行)で定めた「毎年報告書を作る」ことを受けてまとめられたもの。

 同法では、過労死をこのように定義している。

 「この法律において『過労死等』とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう」

 企業には、こういった過重労働ゆえの過労死を防止する「安全配慮義務」が定められている。だが、依然として日本社会には「長時間労働こそ美徳」とするような風潮が残っている。

 実際、まつりさんのTwitterには早朝の4時や5時に「これから帰宅」という内容が頻出。異常な勤務状況だったことがわかる。

 「過労死等防止対策白書」によると、<時間外労働が発生する原因>について、企業側は次のような理由を挙げている。

 「顧客からの不規則な要望に対応する必要があるため」「業務量が多いため」「仕事の繁閑の差が大きいため」「人員が不足しているため」などが多い。

 そして労働者側は、「人員が足りないため」「予定外の仕事が突発的に発生するため」「業務の繁閑が激しいため」という理由を挙げている。

 時間外労働が発生しやすい労働環境に加えて、いまなお過労死がなくならない状況の背景には、<仕事から逃げてはいけない>という、日本社会に通底する無言の圧力があるのではないだろうか。

 命よりも大事な仕事など存在しない。自分の存在を打ち消したくなるほど仕事に耐えられなかったら、<会社に行かない>という選択肢だってある。

 「過労死」を防ぐには、そんな当たり前のことを口にできない社会の空気を変えていかなければ、同じ悲劇が繰り返されるだろう。
(文=編集部、監修=里中高志)

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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