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避妊薬「ピル」に副作用!? 「抗うつ薬」が必要になる悪影響? 15〜19歳では8割が服用の報告

10代女性は抗うつ薬の服用率が上昇

 問題は「ピルの服薬」と「うつ病」の因果関係だ。

 リーデゴー医師が着目しているのは、複合ピルを飲み始めるまでは心身共に健康で、精神薬とは縁のなかった若い女性の1〜1.8%が、ピル服薬後、うつ病を発症している点である。数値的にはわずかだが、見逃せない事実だという。

 オンラインでは「相関関係はあっても因果関係があるとは限らない」という指摘も飛び交ったが、リーデゴー医師は、その因果関係を疑わない。

 というのも、リーデゴー医師は2011年からピルと血流の関連性の研究を先駆的に行い、エビデンスも出した上で、「バースコントロールと自殺傾向」として、今回の研究テーマに着手しているからだ。つまり、同医師の報告には、これまでの経験的な積み重ねがある。

 また、多くの女性が、生理の波が気分の落ち込みに影響することを経験的に知っている。ピルで生理の調節を図れば、気分の落ち込みが誘発される可能性は十分にある。

 特に10代は、思春期を過ぎても精神的な不安定さを引きずっている年頃だ。研究チームは、複合ピルを服薬する15〜19歳の女子の抗うつ薬服薬率はぐんと高く、80%近かったそうである。

 リーデゴー医師ら研究チームが、成果として確固たるエビデンスを出す日は、そう遠くなさそうだ。
(文=編集部)

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