あらゆる医師を演じた稲垣さん、医師役初挑戦の木村さん
実は、SMAPの中で一番医者の役を多く演じているのが稲垣吾郎さんだ。
物腰が柔らかく、育ちのよさそうな印象が医者の役にうってつけなのか。デビュー数年目の「さっちゃんウソついてごめんネ」(1995年9月29日から9月29日まで)では、がんの少女の初恋の医師の役、ついで「僕が僕であるために」(1997年1月3日)では小児科医を目指す医大生、「心室細動」(1998年11月14日)ではどこかミステリアスな医師を演じ、「催眠」(2000年7月9日から9月17日まで)ではサスペンスホラーの中の心理カウンセラーを演じた。
「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」(2005年10月10日)では骨肉腫のために足を切断したが、肺に悪性の腫瘍が転移し、若くしてこの世を去った実在の医師の姿を、「ブルドクター」(2011年7月6日から9月14日まで)では法医学者、「Dr.検事モロハシ」(2012年3月23日から不定期)では、元医師の検事という複雑な役柄を演じている。稲垣さん演じるさまざまなタイプの医師に触発され医道を志した視聴者も少なくないのではないか。
稲垣さんとは逆に、そのマッチョすぎる体がイメージには合わないのか、香取慎吾さんは、医療ドラマの出演がまったくと言っていいほど無い。
「おっはー」の慎吾ママは、長身スリムなママを演じていたが、大好物のマヨネーズとビールのためか、徐々にふくよかになり、その数年後15キロものダイエットに成功しダイエットを綴った本を出版しベストセラーになっている。オムロンの体脂肪計、RAIZAP、フェイタスなどのCMでも惜しみない筋肉美を披露している香取さんは健康体のアイコン的存在かもしれない。
最後に、2017年1月にTBSのドラマに出演が噂されている木村拓哉さん。
「人生は上々だ」(1995年10月13日から12月22日まで)では元医大生ではあるが、恋人を死に追いやった負い目からギャンブル漬けのニートになり医師をあきらめた男の役、「MR.BRAIN」(2009年5月23日から7月11日まで)では元ホストの脳科学者役、「アイムホーム」(2015年4月16日から6月18日まで)では記憶を失った銀行員など、一風変わった設定の役柄が多い。
視聴率41.3%をたたき出した「ビューティフルライフ」(2000年1月16日から3月26日まで)は、医師一家に生まれるも美容師になった役で、難病女性と知り合って障害をもつひとの日常や恋愛に触れ、世の中にバリアフリーという言葉を広めた。
SMAPの解散は年内。来年1月に予定されていると噂されるTBSのドラマは、木村さんにとって初の医療ものになるらしいが、仮に医師役であるとしたどんな医師像を見せてくれるのか。そのとき他のメンバーはそれぞれどんな道を歩み始めているのかを含め、大いに気になるところだ。
(文=編集部)