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【連載「眼病平癒のエビデンス」第14回】

緑内障患者が服用してはいけない薬は?「抗コリン作用」の副作用で失明の危険も!

副腎皮質ホルモンステロイド剤(ステロイド剤)も注意

 閉塞隅角緑内障の患者さんだけが薬物の制限があるかというと、そうではありません。

 副腎皮質ホルモンステロイド剤(ステロイド剤)は副作用として「眼圧上昇、緑内障」があり、緑内障のタイプに関係なく眼圧が上がることがあります。禁忌ではありませんが、注意が必要です。他科でこの薬を処方されたら、緑内障が開放隅角でも閉塞隅角でも、眼科の担当医にステロイド剤を服用していることを申告してください。

 大規模な疫学調査によると、40歳以上の5%が緑内障であり、そのうち90%の人が眼科受診をしていないこと判明しました。また、閉塞隅角緑内障は40歳以上の1%程度とされていますが、多くの人は眼科で診断を受けていないと思われます。このような方は、内科の問診で「緑内障はありません」と答えていると思われます。

 緑内障で眼科に通院中の患者さんは、担当医に確認していただければいいですが、眼科を未受診の人も40歳を過ぎたら、緑内障は無いか、隅角は広いか狭いか、一度、眼科で診察してもらうと、安心して風邪薬などを服用できるようになると思います。

連載「眼病平癒のエビデンス」のバックナンバー

高橋現一郎(たかはし・げんいちろう)

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京慈恵会医科大学卒業。98年、東京慈恵会医科大学眼科学教室講師、2002年、Discoveries in sight laboratory, Devers eye institute(米国)留学、2006年、東京慈恵会医科大学附属青戸病院眼科診療部長、東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授、2012年より東京慈恵会医科大学葛飾医療センター眼科診療部長。2019年4月より現職。
日本眼科学会専門医・指導医、東京緑内障セミナー幹事、国際視野学会会員。厚労省「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成委員会」委員、日本眼科手術学会理事、日本緑内障学会評議員、日本神経眼科学会評議員などを歴任。

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