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【シリーズ「夏の健康3大リスク・熱中症・紫外線・食中毒」第2回】

夏本番、カンピロバクターによる食中毒が急増中! 冷蔵庫を過信せず生肉には特に注意を



冷蔵庫に入れたから安心? 冷蔵庫、冷凍庫の適温は何度?

 厚生労働省『家庭でできる食中毒予防の6つのポイント』によれば、冷蔵庫の適温は10℃以下、冷凍庫の適温はマイナス15℃以下だ。だが、適温の冷蔵庫に食品を保存しておけば安心だろうか?

 冷蔵庫に食品を保存する時のチェックポイントをまとめよう。ちなみに、食中毒を起こす細菌やウイルスは、室温約20℃以上で増殖し始め、ヒトの体温36℃で増殖のスピードが加速する。食品にいったん付着した細菌は冷蔵庫に入れても死滅しない。

 そのため、冷蔵や冷凍が必要な食品は、室温に長く放置せず、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れよう。室温で食材を15~20分も放置すると0-157(病原性大腸菌)はほぼ2倍に増殖する。

 庫内をいつも清潔にしよう。冷蔵庫のドア面やノブをキッチン用のアルコール除菌スプレーを使って拭く。庫内の外せるパーツは外し、中性洗剤でよく洗浄し、乾燥させる。側面、上面、ドアの内側のポケットをアルコール除菌スプレーでよく拭く。カビが生えやすい野菜室やドアのゴムパッキンは念入りに拭こう。

 食品からもれた汁などで庫内が汚れると、細菌が繁殖しやすい。肉や魚などはビニール袋や容器に入れ、肉汁などが果物やサラダ、調理済み食品などに付かないように注意したい。

 冷蔵庫と冷凍庫を総点検して不要な食材は処分しよう。賞味期限や消費期限が切れている食材を捨て、使う予定がない使いかけの調味料などを早めに使い切る。ちなみに、製造や加工後およそ5日以内ならば、美味しく食べられることを保証する期限が賞味期限、腐敗などの劣化に伴う衛生上の危険が発生する恐れがなく、安全に食べられる期限が消費期限だ。

 庫内に食品を詰め込み過ぎず、食品量の7割程度に止めよう。詰め込むと庫内温度にムラが生じ、冷気が行き渡りにくくなるので、細菌が繁殖しやすい。節電にもつながる。煮ものなどの温かい料理を保存する時は、室温までよく冷ましてから庫内に入れよう。

 手洗いを励行する。食品を低温保存する。生肉や鮮魚をよく加熱して食べる。冷蔵庫や冷凍庫を決して過信しない。この4原則を守れば、ほぼ夏の食中毒は防げるはずだ。

 最後に、子どもが食中毒や風邪などで腹痛を訴えた時の注意点を整理しよう。たとえば、次のような症状が強ければ、救急病院での受診が必要になる――。1日10回以上の下痢がある。嘔吐が止まない。眼が落ち込んでいる。舌や皮膚が乾燥している。尿の量が少ない。脱水症状がある。便に血液が混じる。意識が朦朧としている。高熱が止まない。お腹が膨らんでいるなどだ。

 ただ、腹痛や下痢はあるが、休めば回復の兆し見られれば、医師の判断なくむやみ下痢止めは使わない、ムリに食べさせない。イオン飲料や味噌汁などの定期的な水分補給に努め、お腹を温めながら様子を見よう。だが、改善が見られない場合には、すぐに小児科を必ず受診してほしい。
(文=編集部)

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