強度近視の怖さは合併症。失明に至ることも
Holden氏は論文の中で、「今回の結果は、近視進行を防ぐための包括的な眼科医療サービスの計画と、合併症や失明を予防するための強度近視の管理の重要性を示唆するものである」と述べている。
強度近視の怖さは、視力が低下することだけでなく、さまざまな目の病気を合併するところにある。特に怖い合併症に、網膜剥離がある。
眼球の内側の壁には「網膜」という神経の膜が張り付いている。ところが近視になると、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が伸びるため、網膜が引っ張られて穴が開きやすくなり、そこから網膜剥離が起る。
対処が遅れれば失明にもつながりかねない。網膜剥離のほかにも、黄斑変性や緑内障をはじめ、さまざまな合併症を引き起こすことが知られている。
日本は国民の約4割が裸眼視力0.3未満の「近視大国」だが、そのリスクについて認識が薄いことは、これまで本サイトでも紹介してきた(「近視の人もほとんど知らない"強度近視" 放置すれれば失明の恐れも」)。
早期に予防し、治療するための第一歩は、リスクを理解することから。まずは自分の近視度数をしっかり把握しておくために、定期的に専門の検査を受けることを徹底したい。強度近視が疑われれる場合には、迷わずに眼科を受診して相談してみよう。
(文=編集部)