幸福感や安心感に影響をあたえるホルモン
英国ロンドンのドガ教室「ドガ・マーニー(http://www.dogamahny.co.uk)」の生徒たちも、自分自身がエクササイズを楽しんでいること、そこに愛犬が伴うからより豊かな時間を過ごせることを、口々にコメントしている。
そう、犬が主役、あるいは犬の特性を使った従来のドッグ・スポーツとは一線を画すのだ。アジリティ、ディスクドッグ、エクストリーム、フライボール、ドッグダンス、犬ぞりなど、ドッグ・スポーツの多くはアクティブな要素が強い。
一方のドガは、インドアで非常にゆるやかな動きなことも、都会の愛犬家たちに歓迎された一因だろう。また、人の幸福感や安心感に影響をあたえるといわれる「オキシトシン」の分泌を活発にする。「見つめ合って「愛情」ホルモンが増加、人と犬の心の絆を証明!?」http://healthpress.jp/2015/04/post-1737.htmlで紹介したように。
愛犬が上に下に横になる
ドガは伸びたり丸まったりと、基本的なヨガ体操に似ている。その中に、犬の仕草にちなんだリラックスのポーズがちりばめられている。お腹を向けて仰向けになる「幸せな子犬」や、寝起きの「大きな伸び」など、自然に無理なくできるポーズが多い。
そうした動きを、愛犬を抱き上げたり、小脇に抱えたり、下ろしたり、体の上に乗せたりしながら行うことで、犬の重みが適度な刺激となってエクササイズ効果を増す。
もちろん、愛犬を優しくなでたり、包み込んだりする動きもあり、犬にとっても気持ちのいいひとときである。人と犬が密着し、コミュニケーションを図れる、お互いに至福の時間といえるだろう。
「ドガ・マーニー」によると、人と犬の双方が、ストレスレベルが緩和したり、消化や睡眠の質が向上したり、社会性が増すという。実際、ドガ教室では、ドガに飽きた犬たちが飼い主を尻目にほかの犬たちと遊ぶこともあり、犬同士がコミュニケーションを楽しめる場にもなっている。
ただし、日本ではまだドガ教室は数少なく、東京をはじめとする主要都市に限られてしまう。休日には、本やDVDを見ながら、家で愛犬とゆったりとドガに挑戦してみるのも、心身ともに健康的な、良い休日の過ごし方ではないだろうか。
(文=編集部)
✳︎参考
●日本ドッグヨーガ普及協会
●書籍『Doga ドガ 犬的ヨガ健康法』
●DVD『愛犬と一緒に楽しむヨガ DOGA』