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【連載「健康って何だ?~フィットネス道の探求~」第16回】

女性の視線で選ぶ~本当にフィットネスクラブは新年度の入会がお得なのか?

女性専用や女性中心のクラブを選ぼう

 女性は、筋肉ムキムキの男性の側でトレーニングするのは気が引けるかもしれない。その雰囲気に馴染めずに退会したり、利用しなくなるケースは少なくない。重いウエイトを上げて肉体を誇示したり、女性との出会いを求めて虎視眈々と狙っている輩もいる(笑)。

 そんな視線を気にせずに、落ち着いてトレーニングに集中したいはず。そんな場合は、女性専用や女性中心のクラブを選ぼう。ターゲットの客層に対して、効果的な運動プログラムを多く提供している。

 ホットヨガを提供するクラブは女性専用か、あるいは男性が参加できても、クラスを制限しているクラブが多い。ホットヨガの大きな魅力は顔から全身から、大量に汗をかきつつポーズに集中することでストレス解消できること。そして深いリラクゼーションへと導かれることだ。

 そこに化粧は不要で、密室において、薄着で、かつ大量に汗をかくとすれば、男性の目線だけでなく、同室する事すら、抵抗を感じる女性は少なくないのが容易に想像できる。他人の目線を気にしない開放的な時間は、さまざまなストレスにさらされた現代女性にとって求められている時間なのかもしれない。

 女性専用小型サーキットジムも増加している。主に中高齢者向けのクラブが多く、無理のない負荷、強度、時間で手軽に行えるのが売りだ。インストラクターも全て女性、というクラブも多く、安心して運動できる環境を整えている。

 混んでいる時間帯は、どのクラブも共通だ。時間を有効に使うには、利用時間帯の施設情報は事前に入手しておくべき。混雑時にも待たなくてすむよう、お目当てのマシンの台数は、施設選びの重要なポイントになる。

 最初の意気込みもどこへやら。自分のライフスタイルにおいてアクセスが不便だと足は遠のく。自宅、勤務先、帰路、最寄り駅……通うのが苦にならないのがいちばん。“車社会”の田舎だと駐車場などのサービスも不可欠だ。

 会費などの利用金額は、とても気になるところだろう。公共の運動施設に比べたら安くはない。一昔前と違い、「フィットネスクラブに通う=カッコイイ」という価値観は薄れた。「結果にコミットする」のライザップがうけているのは、消費者が確実な効果を求めているからだろう。

 しかし、重要なのは継続だ。生活習慣にならなければ、その効果も一時的でしかない。長続きするには、自分の目的や懐事情に見合った選択を大事にしよう。

フィットネスクラブを選ぶにはさまざまな事前情報を入手すること

 フィットネスクラブでは、さまざまなサービスが提供されるが、プールや温浴施設、トレーニング機器やスタジオプログラムの他に日焼けマシン、酸素カプセル、体組成計や姿勢分析機などのハードや、パーソナルレッスンやパーソナルトレーニングなどソフト面でのサービスが提供されている。

 またマッサージやトリートメントを提供している施設もある。会費に含まれる場合や、別途の場合もある。サービスの形態や金額も施設によって違いるのでぜひ確認したほうがよい。

 そして、スタッフの資格の有無は重要だ。施設の運動指導者は客の命を預かっている。しっかりと確認しておこう。スタジオレッスンを担当するフリーのインストラクターも同じだ。地方都市ほどインストラクターは少ない。だが、そのレベルが低いというわけではない。

 有名フィットネスクラブでも、資格がなく指導しているインストラクターやトレーナーがたくさんいる。資格の中には簡単に取れてしまうものもあるので、しっかりとサポートしてもらうには上級資格を有するインストラクター、トレーナーが施設に常駐していることも大切だ。

 なにはともあれ自分の目的やライフスタイルにあったフィットネスクラブを選ぶにはさまざまな事前情報を入手することだ。ホームページも一件見やすくても情報の薄いものがある。フェイスブックが掲載され日々の活動が目に見える施設もよいと思う。

 選ぶ側の判断材料を多く提供しているということはその施設の自信の表れかもしれない。さまざまな情報をもとに女性ならではの視点で、これからのフィットネスライフを始めてみてはいかがだろうか。


連載「健康って何だ?~フィットネス道の探求~」バックナンバー

村上勇(むらかみ・いさむ)

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボール選手を引退後、現・スポーツクラブ「ルネサンス」に勤務。2007年から「メディカルフィットネス+スパ ラ・ヴィータ」のゼネラルマネージャーとして施設運営に携わる一方、トレーナーとして主婦や高齢者、アスリート(サッカーチーム・モンテディオ山形、加藤条冶:スピードスケート、黒田吉隆:レーシングドライバー)、著名人(指揮者・飯森範親など)を幅広く指導。現在は株式会社ドリームゲート代表として、スポーツチーム・アスリート・企業などを指導、運営協力に携わる。

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