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急増する「電気マッサージ器」の事故! 骨折、神経・脊髄の損傷……最悪なケースは死亡事故

4割の人が説明書を読んでいない

 家庭用電気マッサージ器については、過去に死亡事故もある。ローラー式マッサージ器の布カバーを外して使用することなどにより、衣服がローラーに巻き込まれて窒息死する事故が5件発生し、厚生労働省が2008年、2012年、2014年と3回、消費者庁も2012年、2014年と2回注意喚起を行っている。このことは、ご記憶の方も多いだろう。

 にもかかわらず、トラブル事例が後を絶たないのはなぜか。国民生活センターが過去3年以内にマッサージ器を購入した、あるいは体験した1000人へのアンケートを実施したところ、約4割が「取扱説明書を読まず、販売員などの説明を聞かずに使用した」と回答。

 また、「自分に電気マッサージ器の使用が禁止される疾病や、使用にあたって医師の判断が必要な疾病があったのにもかかわらず、使用していた」という回答が2割程度あった。店頭での説明不足も目立つようだ。電気マッサージ器を使用してはいけない疾病について、「売り場で提示されなかった」あるいは「覚えていない」「わからない」と回答した人は、全体の8割にも上っている。

 国民生活センターでは消費者に対して次のようにアドバイスをしている。

 ▶︎疾病がある場合は、購入時や使う前に販売店や医師に確認を。
 ▶︎店舗などの体験でも事故が起きているので、最初に操作方法を確認しよう。
 ▶︎安全のため、使用する際には必ず「弱」の強さから。
 ▶︎身体に異常を感じた時には直ちに中止する。
 ▶︎利用の前には機器に外観上の異常がないか確認をしよう。

 家庭用電気マッサージ器は誰でも気軽に購入できることもあり、潜在的な危険性が認識されにくい。しかし、力を加えて押したりほぐしたり、身体に直接刺激を与える機器であることを忘れてはいけない。たとえ痛みや不快感がなく、心地よく使えていたとしても、説明書に示された限度以上に使用しないこと。使用方法をきちんと守ることが大切だ。
(文=編集部)

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