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【シリーズ「子どもの心と体の不思議のサイエンス!」第14回】

運動機能の発達に欠かせないハイハイは、赤ちゃんの世界を大きく広げる

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9〜12カ月ころになるとハイハイが始まる/shutterstock

 赤ちゃんの成長と発達は、目まぐるしく、微笑ましく、実に逞しい。9〜12カ月ころになると、ハイハイが始まる。数カ月も寝たままだった赤ちゃんにとって、ハイハイは世界を大きく広げるきっかけになる。

 赤ちゃんがハイハイできるためには、上肢と下肢を交互に動かす交互運動ができる、首が座り、手足の位置に関わらず顔が前を向いている、空間の奥行きを理解できる、この3つの身体機能の成熟が条件だ。

 最初は、お腹全体を付ける「ずりばい」だが、少しずつ手のひらと膝を付くハイハイ、膝を使わない「高ばい」へ移っていく。「ずりばい」の時は、赤ちゃんはほんの目の前しか見えないので、視野が狭く、自分の気分の向くままに移動している。だが、膝を付くハイハイや「高ばい」ができるようになると、視野が広がるため、周囲の状況を見ながら移動したり、触れなかったモノに手を伸ばしたりする。「あそこまで行きたいよ!」「あれに触りたいよ!」と、移動先の目安も立てられるようになるので、まっしぐらに目的の場所やモノに向かって行こうとする。

 道々、ドアを押し開けたり、モノにぶち当たったり、ゴミ箱をひっくり返したりもするが、赤ちゃんなりの見通しや意志があるので、お母さんの居場所や動きを感じて行動しているのがよく分かる。好き勝手に動き回っているように見えるが、赤ちゃんの脳内に好奇心がムクムクと湧き上がり、自然と体が動いている。動けば動くほど、好奇心は、ますます逞しく高まっていく。

ハイハイの時期は、お母さんと自分の距離感が分かっている

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