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【シリーズ「冬こそ注意したいちょっとした病気の兆し」第5回】

冬に大流行のノロウイルス対策は? 危険なのは二枚貝だけでなく感染者の吐瀉物なども

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ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝に(shutterstock.com)

 寒い冬は、家族の健康管理に気をつかう。子どものいる家庭は、特に感染症に注意が必要だ。インフルエンザや風邪など、子どもが罹りやすい感染症は少なくない。

 平成26年の厚労省の食中毒統計検査によれば、食中毒に罹った患者約1万7935人のうち、およそ7割がウイルス、2割が細菌で発症している。ウイルス性食中毒のほとんどはノロウイルスが原因だ。ノロウイルスは、感染力が強く、10~100個の微量のウイルスが口から入っただけで感染し、アウトブレイク(感染症の集団発生)に至るリスクを孕んでいる。

 ノロウイルスは、1968年にアメリカオハイオ州ノーウォークの小学校で集団発生した急性胃腸炎患者の糞便から検出され、2002年に国際ウイルス学会で、ノーウォークとウイルスを合成してノロウイルスと呼ばれるようになった。

 ノロウイルスは、カキ、アサリ、シジミ、ホタテなどの二枚貝を食べて感染することが多く、ヒトからヒトへ感染する。これらの二枚貝は、主食のプランクトンと一緒に海中に漂うノロウイルスを吸い込み、中腸腺という器官に蓄える。ヒトが二枚貝を食べると、ノロウイルスは体内で増殖した後、ヒトの糞便に混じって下水処理されて河川へ放出される。下水消毒では死滅せず、感染力を保ったまま海中で二枚貝に蓄えられ、ヒトが摂取してまた感染する。このサイクルが繰り返される。つまり、ノロウイルスは、ヒトの腸管内でしか増殖しない。

 ノロウイルスは、乾燥に強く、4℃でおよそ8週間、20℃でおよそ3~4週間も生存する。感染経路で最も多いのは、食中毒に感染したヒトの吐瀉物や糞便を媒介にして、ヒトからヒトへ感染するケースだ。吐瀉物の細かい飛沫が空気中を浮遊したり、床に落下したりして感染することも少なくない。つまり、カキなどの二枚貝を食べなくても、周囲に感染者がいなくても感染する恐れが十分ある。

手洗い、食品の加熱、吐瀉物や糞便は適切な処理を

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