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ジャンクフードで脳の“海馬”が縮小! アルツハイマー病の発症リスクにも影響

 精神障害の発症には、遺伝や環境などさまざまな要素が影響するが、今回の報告では食習慣の重要性が改めて示された。食事における栄養のバランスが、少なくとも部分的には海馬に影響することにより、認知症などのリスクを変動させている可能性がある。

 食生活が海馬の大きさと機能に影響することは、これまでにも複数の動物実験で示されてきた。ヒトを対象に行われた研究は、今回のものが初めてだという。

 最近、65歳以上のアメリカ人2000人余りを対象にコロンビア大学が行った調査でも、食事による認知症の予防効果が示されている。オリーブ油を多く使い、ナッツ類、魚、トマト、鶏肉、果物、葉物野菜などを多く摂る「地中海食」に最も近い食事を摂っていたグループは、それ以外の食事を摂ったグループに対してアルツハイマー性認知症の発症率が38%も低下していた。

 「今回の研究は60〜64歳の男女を対象に行われたが、海馬は年齢を問わず学習や記憶、精神衛生にとって重要な器官。若い人も健康的な食生活はとても大切だ」と、ディーキン大学の研究者はコメント。心身ともに健康で豊かな老後を望むなら、すぐにでも食事にジャンクフードが多すぎないかをチェックし、健康的な食材を取り入れるようにしたいものだ。
(文=編集部)

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