また、真面目で人当たりが良く、環境に適応を示すタイプも、実はストレスを溜め込みやすく、心身症になりやすいといわれている。俗にいう「優等生タイプ」も危険なのである。ストレスは適度に認識し、適度に発散する必要があるということだ。
心身症の場合、最初は身体の不具合を自覚して、まずは内科を受診する人がほとんどである。よって、最初に診察に当たる医師が、身体の不調の背後にストレスが密接に関与していないか注意深く見極めなければならない。何しろ本人はあまりストレスを自覚していないのだから、問診を通して本人の性格傾向を把握するとともに、生活環境や職場環境を知ることがとても大事になる。
心身症は身体的な検査で異常を認めることも多いが、その発症や症状の転帰には心理的因子が影響しているため、身体的な治療と平行して心理面の治療やケアをしていくことが欠かせない。心理面のケアをしないと、いったんは完治しても再発しやすい。心理的な原因をさぐり、それを解決することが再発の予防にもつながるのである。その治療に当たるのは心療内科である。
更年期に心身の不調を感じて、どの科を受診したらよいか迷った場合には、ドクターショッピングを繰り返す前に、「女性総合外来」や「更年期外来」などを掲げている医院や病院を受診して、“不具合の交通整理”をしてもらうことをお勧めしたい。今では「総合診療科」などを掲げている病院も多くなった。先入観をもって「○○科」と決めつけずに、まずは包括的な診療をしている科の門を叩いて、そこから適切な診療科へ紹介してもらうといいだろう。